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『令和の“応演歌”』国分登喜雄~夢を叶えるのに遅いことはありません(後編)

国分登喜雄
国分登喜雄 (C)週刊実話Web

――前編では、自衛隊を53歳で退官後、演歌歌手への道を進み、60歳を超えて、念願のデビューを果たすまでの道のりを話してもらいました。今年でデビュー9年になります。新型コロナウイルスがまん延して、演歌歌手特有の地道な手売りなどの活動ができない難しい局面にあると思います。現在の活動状況について教えて下さい。

国分 新型コロナがまん延してからは、もともと知り合いのお店などで歌い、キャンペーンとCDを買って頂くなどの活動が中心になっています。また、カラオケ教室で教えたりもしていたんですが、生徒さんはどうしても年配の方が多い。ですから、生徒さんが少なくなっているのが実情です。

北海道のどの地域に感染者数が多いかなどを見極めながら、少ない地域にピンポイントで伺うようにしています。ただ、私が住んでいる北海道の道東地区がどうしても中心になってしまうんです。

昨年7月にリリースした『俺とお前のふたり道/天の赦す所』を早く皆さんの前で披露したいんですが、札幌や室蘭、千歳などの道南地区で活動するのがなかなか難しい状況です。早く新型コロナが終息して、多くの人に新曲を聞いて頂きたいですね。

――北海道内でも地域によって活動に差が出てしまうんですか?

国分 やはり、他の地域から突然、営業に行くのは難しい現実がありますね。たとえば、その地域、地域に知り合いで力になってくれるような方がいれば、他地域で活動することはできますが、そうでないと難しいですね。

先日もよく一緒に活動している義貴さん(本連載登場)という演歌、民謡の歌手の方とある地域へ営業に行ったのですが、その地域は義貴さんが新型コロナがまん延する前に既に関係を築いていた土地だから実現したんです。

早く歌で恩返しした気持ち

――73歳にはとても見えないうえ、まだまだ体力もありそうです。5年後はどう考えていますか?

国分 コロナ禍で難しい状況ではありますが、早く終息し、お世話になっている伊南喜仁師匠に少しは歌手らしい姿をお見せして、そして何よりも後援会やファンの方々、皆さんに私の歌を聞いて頂きたいですね。いつまでも若さを保ちながら頑張りたいというのが大きな目標です。また、少しでも良いので、これまでお世話になった方々に歌で恩返ししたい気持ちが心の中では大きいです。

――最後に、読者諸氏の中にも、夢を持ち続けながら結果的に違う仕事に従事し、悶々とした生活を送っている人もいると思います。自衛隊を退官し、60代でデビューした国分さんだからこそ言える、そうした人たちへのメッセージはありますか?

国分 何度かプロの方のステージを見に行ったことがあるんです。その時、夢についてお話されていたんですね。夢を持って生きたほうが、人生に張りが出ますし気力も湧きます。夢を抱くことは精神的にも身体的にも良い影響を及ぼすと私自身の経験で考えています。

ですから、若い人は若い人、ある程度年配の方は年配の方、それぞれの立場で叶えられる夢を持って、人生を歩んでほしいと思いますね。夢を叶えるのに、年齢で遅いということはないと思いますので。

国分登喜雄(こくぶん・ときお)
北海道北見市出身。キャッチフレーズは「オホーツクの艶歌野郎」。60代でCDデビュー。2015年、美幌市観光物産大使就任。2021年7月、『俺とお前のふたり道/天の赦す所』をリリース。

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