10月1日、福岡ソフトバンクホークスの松田宣浩の退団セレモニーが行われた。松田といえば熱いプレーで長くチームを牽引してきた功労者だが、最後の試合は二軍戦。そんな「熱男」に獲得の意思を示したとされるのが、今季セ・リーグ4位に終わった巨人だ。
しかし、スンナリとは決まらないようだ――。
「来季の構想外だと告げられたのは、9月7日の試合後。翌日に一軍登録を抹消され、『引退か、他球団で現役を続けるか』で悩みました。10カ月ほど前も進退のことで悩んでいたんですが」(地元メディア・記者)
「10カ月ほど前」とは、契約更改の席でのこと。松田は3億円もの減俸を提示され、野球協約に定められた以上の減俸だったので、当然、「イヤなら他球団へ」の話も出た。
「近年、成績を落としていました」(同)
松田は〝生涯ホークス〟を決断していたが、復活できなかったのである。
「三塁手が守備の規定数に到達していないのは、阪神、中日。パ・リーグはソフトバンク、西武、楽天、日本ハム。右の代打はどこも手薄で、特に打線が弱い中日と日本ハムは、巨人以上の好条件を出してくるでしょう」(球界関係者)
一度は見誤った巨人だが…
中日の出方に注目だ。
松田は滋賀県の出身だが、岐阜県の中京高校で甲子園を経験。中日のお膝元で、立浪和義監督とは、侍ジャパンのコーチ、選手としての接点もある。
「松田は試合中、声を出し続け、チームを盛り上げてきました。そのキャプテンシーも魅力です。でも、巨人の三塁には岡本和真、一塁には中田翔がいます。右の代打には同じく同年代の中島宏之がいるので、出場機会を求めるのなら、巨人以外となりそうです」(同)
また、巨人とは浅からぬ因縁もあるという。
「2005年ドラフト会議で、巨人は『即戦力投手か松田か?』で悩みました。巨人は松田を見誤りました」(同)
日本ハムの稲葉篤紀GMも代表監督を務めたことから、松田を高く評価している。日本ハムならレギュラー奪還も夢ではないが、初めての北海道暮らしより、東海地区への原点回帰を求めるだろう。そんな中日は、平田良介の構想外を決めた。
「松田に乗り換えるのは非情」(スポーツ紙記者)
中日が渋チン査定なのも気になる。去就先はすぐに見つかりそうだが、どの球団も一長一短があり、即決とはいかないようだ。