タクシー業界ではドライバー不足が問題となっている。特に地方では、タクシー需要が高い悪天候の日に限って年配ドライバーが休みを取ってしまうため、予約を受け付けられないケースが多いという。
「タクシー業界の売上総額は2020年度で約9000億円ですが、10年前に比べて半減しています」(経済評論家)
近年は燃料費の高騰や車両部品の値上げ、ユニバーサルデザイン車両の導入など設備投資の負担が重く、経営難に陥るタクシー会社が後を絶たない。
新型コロナウイルスの影響も深刻で、民間調査会社によるとタクシー会社の倒産は増加しているという。飲食店の時短営業で客足が激減した時には、夜間から日中のシフトに変更するドライバーが続出した。
「コロナ前の営業収入は平均1日2万円でしたが、客の奪い合いとなり、1日2000〜4000円という日が続きました」(60代のタクシードライバー)
タクシーにも働き方改革
かつてのタクシー業界は「流し」で客を乗せる手法が主だったため、乗客が多いエリアや時間帯を知っているベテランドライバーが有利だった。
ところが、ここ数年で配車アプリが普及したことにより、タクシードライバーの働き方が激変。タクシー需要が見込める地区を人工知能(AI)で予測し、ドライバーとマッチングするため、新人でもベテランと遜色なく稼げるという。
海外では専用アプリを通じて、一般ドライバーが自家用車で有償の旅客運送サービスを行う「ライドシェア」が普及している。今後、日本でもライドシェアの規制が緩和されれば、タクシー会社の廃業ラッシュとなる恐れがある。
タクシードライバーが稼げる時代は再び来るのだろうか。
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