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JRA重賞『神戸新聞杯』(GⅡ)映画評論家・秋本鉄次の“ざっくり”予想!

(C)JRA
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「デキた!」と声を上げたゴール前数十メートル。本命の川田アートハウスの勝利はもう確信した。あとは2、3着だ。狙った池添エグランタインが有力、坂井ラリュエルもいい、吉川メモリーレゾンも可能性が…何でもいいぞ、と思った瞬間、〝よくない〟1頭が矢のように差してきた…今回珍しく嫌ったルメール大将の乗るサリエラであった。

「ヤバい。せめてエグランタインが2着確保で」…の願いも空しく、サリエラ2着の暗転。「グエッ!」と、斬られ役者のように断末魔をあげ、当方、テレビの前で悶絶したっけ。

反省材料がまた増えた。いつもは、軸とはいかずとも無視はほとんどしていなかったルメール大将に対して「このところ重賞でアテにならない」と文句を言い、サリエラに対しても「小柄な牝馬は好きじゃない」とアヤを付け、珍しく〝ルメール切り〟を強行したら、逆にバッサリと斬られた! というお粗末なお話だ。ルメール大将は翌月曜日のセントライト記念でもローシャムパークをしっかり3着に持って来ており、軽視はいいけど、やはり完全無視しちゃいかんのだよ…。

と、頭をポリポリとかきつつ、懲りずに日曜重賞へ。今週は二択。松山デアリングタクト、戸崎ヴェルトライゼンデ、川田ソーヴァリアントなど、騎手も含めて、役者が揃った感のある中山GⅡオールカマーを選択したいところだが、やや混戦模様で軸が決まらない。ならば、3歳重賞で菊花賞トライアルの中京GⅡ神戸新聞杯はどう考えても「池添プラダリアが軸」は迷わないので、こっちにしよう。このところ選択ミスが多いけどね(苦笑)。

昔は〝荒れる〟レースの代名詞のような時もあったオールカマーも、ここ6年は1~6番人気が馬券圏内を独占しているように〝あまり荒れない〟。同様に神戸新聞杯も〝けっこう平穏な〟レースだ。近10年で、優勝は1~3番人気が独占し、二桁人気の馬券圏内は20年3着の14番人気ロバートソンキー(ちなみに、今年のオールカマーに出る)のみだ。秋に入ってからの重賞での1番人気馬は信頼に足るようになってきているし、流れから言っても、今年も〝固い〟という傾向が読み取れる。

“映画連想馬券”は新作からチョイス!

で、軸は当然前出のプラダリア。過去5戦、連を外したのはダービー5着のみ。GⅡは青葉賞も勝っているし、格から言っても文句なし、だろう。相手は、同じくGⅡの京都新聞杯勝ちのアクスワイルドモアだが、鞍上が骨折休養明けの岩田望だけに強くは推せず、ヒモの1頭か。それなら岩田パパに手が戻るビーアストニッシドはこの春、馬券的にさんざんお世話になった人馬(共同通信杯3着、スプリングS1着)だけに、近走に目をつぶって推そう。あとは実績のある浜中サトノヘリオス、冒頭に書いたように、もう懲りたので、やっぱり外せないルメール大将のパラレルヴィジョン、ほかに京都新聞杯2着がある団野ヴェローナシチー、近年穴をあけている1勝クラス経由の中で坂井ジュンブロッサムを挙げたい。トリガミでもいいから当たってほしいなあ。

さて〝映画連想馬券〟だが、パラレルヴィジョンから連想して、たまには新作を。11月3日公開の『パラレル・マザーズ』はどうか。スペイン映画の鬼才ペドロ・アルモドバル監督の新作で、〝新生児の取り違え〟をテーマに、偶然にも同じ日に母となった2人のシングルマザーの数奇な運命を描いている。実は、試写はこれから観るのだが、何といってもヒロインは、ラテン系美熟女となって久しいご贔屓の国際女優ペネロペ・クルスだから、神戸新聞杯のプラダリアぐらい〝勝ったも同然〟だろう。相手役は新星ミレナ・スミット。〝女優目当てに映画を観る〟ボクとしては、女優チェックも欠かさないので、このミレナちゃんにも注目したい。

最終的な買い目は、ブラタリア⑭を軸に⑤⑨⑪⑫⑬⑯へ馬連&3連複。縦目の馬連⑨⑪⑬⑯のボックス。外枠に偏り気味が気にかかるが、気のせいでしょ。ここから秋のGⅠ路線に良い形で乗り込みたい!

秋本鉄次
映画評論家。〝飲む・打つ・観る〟〝映画は女優で観る〟をモットーに、娯楽映画、中でも金髪女優の評論にかけては業界随一。著書に『パツキン一筋50年 パツキンとカラダを目当てに映画を見続けた男』(キネマ旬報社)など。

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