右足首の疲労骨折で昨年、北京オリンピック出場を断念した女子フィギュアスケートの紀平梨花が「強化選手」に復帰した。しかし、今後も前途多難であることに変わりはない。
「9月1日の日本スケート連盟の理事会で、強化選手復帰が決定しました」(スポーツ協会担当記者)
紀平はオリンピックイヤーの昨シーズン、故障で全休。前述の故障のためだが、今回の復帰には批判的な声も聞かれた。
「今回、紀平と同じ『強化指定A』に格上げされた選手も何人かいました。でも、彼らは地方大会や海外のローカル競技会で好成績を収めたからです。強化指定選手になれるかどうかは、前年度の成績を見て判断されます。前々年度までの好成績はともかく…」(同)
復帰戦は10月8日に開幕するジャパン・オープンと見られていた。しかし、連盟も〝特別扱い〟による非難を予測していたのだろう。いきなりの大舞台出場はNGとし、その予選的な位置付けでもある中部選手権(9月23〜25日)への出場を通達。「這い上がって来い」というわけだ。
「アイスショーに出るなどし、ブランクを払拭しようとしていました。故障明け、『滑る』練習はすぐにできましたが、『ジャンプ』の練習はかなり後のほうになりました。地方大会とはいえ、ある程度の大技を連発できなければ、予選突破はなりません」(関係者)
10代の成長は著しい…
今季は準備段階とし、2026年ミラノ冬季五輪への出場を目指した「本格的な復帰は次年度以降」との計画案も聞かれたが、そんな悠長なことは言っていられない。シニアに上がってきた10代には世界レベルの有望株も多く、一気にチャージをかけなければ追い抜かれてしまう状況なのだ。
「昨季、本当は全休しないで済んだかもしれません。というのも、右足に痛みを感じ、しばらく経ってから『骨がおかしい』と分かったんです。若いうちは多少の痛みも放っておけば治りますが」(同)
7月に20歳を迎えた紀平。彼女が真剣に取り組んできたことは誰も否定しない。しかし、10代の頃と同じやり方ではもう通用しなくなったことを自覚しなければならないようだ。
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