今夏、北陸、東北、北海道を襲った記録的な大雨の影響により、盆明け以降、『豊洲市場』(東京都江東区)では魚や野菜の品薄状態が出ているという。
8月3日から北陸の福井県、石川県、新潟県、東北の山形県、秋田県、青森県、それに北海道などが記録的な大雨に見舞われた。この大雨による水産物や農作物への影響は深刻だ。
「石川県では養殖しているイワナやヤマメが、17万匹以上が死んだ。『鮭の町』として知られる新潟県村上市では、鮭やサクラマスなどの人工ふ化施設で川から溢れた水とともに約16万匹が流された。秋田県では大雨で農地の冠水などで農作物への被害額が8月半ば時点で約5200万円、北海道函館市では出荷予定だったトウモロコシが全滅しました」(農水省関係者)
サンマは“1キロ6万円”の高級魚
各方面に甚大な被害をもたらした大雨。8月17日以降、豊洲市場では各地から魚を積むトラックの台数が明らかに減っているという。
「要するに、入荷する魚が激減しているんですよ。大雨による土砂災害や橋が寸断されるという交通網の問題もありますが、魚の水揚げ量自体が少ない。結果、魚の値段が驚くほど高騰しています。サンマは8月24日時点で〝1キロ6万円〟と信じられない値段。市場に買い出しに来る飲食店関係者に〝買ってください〟とは、とても頼めないほど高くなっている」(豊洲市場水産仲卸業者)
東京・銀座で高級和食店を経営する店主が嘆く。
「16日まで盆休みで、17日に豊洲市場に買い出しに行きました。大雨の影響で魚が少ないことは分かるんですが、普段1キロ2000円で売っている白イカが7000円、今が旬のスズキは2000円だったのが、1万円超。とても手が出せません。コロナ感染再拡大でお客が戻って来ないのに加えて、売る魚がない。店を閉めるしかないですね」
大雨被害により、秋田県大館市では特産の比内地鶏約1万5000羽が死んだ。
「鶏肉の値段も上がるでしょう。この先、庶民生活はますます物価高で困窮しますよ」(フードライター)
物価高の〝感染〟拡大。
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