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北海道でM5級地震相次ぐ…“千島海溝の巨大地震”の前兆か!?

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8月11日0時35分ごろ、北海道宗谷地方北部を震源とする地震があり、中川町で震度5弱の揺れを観測。同日0時53分ごろには同一地域で、今度は震度5強の強い揺れが起きた。

気象庁によると、震源の深さは約10キロメートル、地震の規模はマグニチュード(M)5.4(震度5弱はM5.2)と推定される。

「北海道宗谷地方北部の震源領域は十勝沖、根室沖、色丹島沖および択捉島沖があるが、複数の震源が連動して巨大地震が発生する可能性がある。北海道陸側のプレートの下には、千島海溝から太平洋プレートが沈み込んでいます。その地点は陸と海のプレートの境目に当たり、年々ひずみがたまり、それが限界に達すると、プレート間地震と呼ばれる巨大地震を引き起こす」(サイエンスライター)

プレート間地震は繰り返し発生し、地震の規模が大きく、広範囲にわたり強い揺れと津波をもたらすことが特徴である。

「それが千島海溝の巨大地震です。東日本大震災よりも大きな地震になるとの見方もあるほどです」(同)

南海トラフ地震と関係がある!?

千島海溝地震について、武蔵野学院大学特任教授(地震学)の島村英紀氏がこう指摘する。

「南海トラフ地震が近くなると、西日本の内陸で直下型地震がよく発生します。現在も震度5クラスの強い内陸地震が起きる傾向にあるのも南海トラフと無縁ではない。そうした事情は北海道も同じで、宗谷地方北部を震源とするM5クラスの地震は、千島海溝と関係していると思います。太平洋プレートが押してくるわけですが、肝心の千島海溝地震が過去、いつごろ起きたのか、これがはっきりしないんですよ。ただ、とにかく巨大だったことだけは分かっている」

千島海溝地震の場合、津波によって運ばれた堆積物から発生年代を推測することができるという。

「超巨大地震は300年〜400年の間隔で、前回は17世紀に起きたと考えられており、すでに400年程度経っている。発生は明日かもしれないし、5年後かもしれない。状況は南海トラフとよく似ています」(同)

9月1日は防災の日。何事も、備えあれば憂いなし。

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