旅行大手『エイチ・アイ・エス』(HIS)が、8月中にも傘下の大型リゾート施設『ハウステンボス』(長崎県佐世保市)を売却する見通しであると読売新聞(7月21日付)が報じた。売却先は、香港を拠点にする投資会社『PAG』が有力視され、識者の間では「ハウステンボスが中国共産党傘下になるのではないか」と懸念する声が止まない。
ハウステンボスは1992年に開園。2003年、来園者が激減し経営悪化に陥り、会社更生法適用を申請して経営破綻。10年にHISの傘下に入って再建を果たした。
「経営は順調だったんですが、18年に中国の投資会社『復星集団』との資本提携交渉が持ち上がった。その背景には入場者数の頭打ちがあったから。復星集団が提案した中国からの20万人の送客が欲しかったんです」(旅行ジャーナリスト)
このままでは中国に利益が…
しかし翌2019年、この提携話は破談となった。
「復星集団は、中国共産党幹部と親しい会社だったからです。ハウステンボスと米海軍佐世保基地・海上自衛隊佐世保基地は、11.57キロメートルしか離れていないため、いつでも2つの基地を監視できる。アメリカと中国の関係は悪化の一途をたどっている。破談は当然の成り行きだった」(地元テレビ関係者)
今回は『PAG』に500億~700億円で売却する方向で調整を進めていることも明らかになった。
「HISは、新電力の子会社『HTBエナジー』を5月に売却したが、コロナ禍による巨額赤字経営から抜け出せていない。手元資金確保に向けて、ハウステンボスの従業員1000人超の雇用維持を前提に、8月中に交渉をまとめたい考え」(経済ジャーナリスト)
長崎県は、全国で最大3カ所のIR(カジノを含む統合型リゾート施設)誘致を推進している。
「県民から〝IR誘致が決まったらカジノの売り上げが中国に持っていかれる〟と反対の声が上がってます。『PAG』は〝中国共産党と無関係〟と言ってますが、ここ数年の香港の動向を見ると、完全に中国共産党の支配下にある。売却は危険です」(地元メディア記者)
ハウス〝テンプク〟?
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