いまや、日本中がコロナ禍で苦しんでいるが、大相撲界も例外ではない。観客は思うように入らず、巡業や花相撲まで相次いで中止や延期に。おかげで一昨年の収支は、過去最多の50億円の大幅赤字になった。
昨年も32億円の赤字。いくら300億円超の資産を有している日本相撲協会でも、こう大幅赤字が続けば、たまったものではない。
「赤字傾向は、今年になっても変わらない。しびれを切らした相撲協会は7月の名古屋場所で、およそ2年半ぶりに入場制限を全面撤廃して無制限に受け入れる通常開催に踏み切った」(大相撲担当記者)
ところが、館内は相変わらず空席が目立ち、大入り満員の垂れ幕が下がった日は、なんとゼロだったのだ。
「なにしろ肝心の担当部長の出羽海親方(元幕内小城乃花)が、コロナになって場所前に交代。場所に入っても感染する力士が相次ぎ、終盤には場所前の田子ノ浦部屋を含め計13部屋、全体の3割近い174力士が休場するなど、士気は下がりっぱなし。満員どころの話ではありませんでした」(同)
相撲協会は別の価値を見出した!?
これでは黒字回復は絵に描いた餅。ただ、相撲協会も手をこまねいているワケにはいかない。今年6月、使えるものは何でも使え、とばかりにユニークな副業を始めた。相撲字の名手である行司が、丁寧に手書きする表札(木製)の注文販売を開始したのだ。
「氏名のみだと1万1000円、住所入りは1万6500円(いずれも税込み)。これがマニアに大人気で、注文してから手元に届くまで2カ月以上もかかるヒット商品になっている」(同)
これに味をしめた相撲協会。このほど館内に四股名が掲示される電光掲示板(幅29.1センチ、高さ41.1センチ)の販売も決定した。相撲協会の公式ファンクラブの十両コース以上の会員限定商品で、1枚3万3000円(税込み)。
「注文を受けた掲示板は、実際にファン感謝祭で使用して箔をつけてから、イベント終了後に発送することになっている。相撲ファンにはたまらない一品です」(協会関係者)
果たして、柳の下に二匹目のドジョウはいるか。