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松本伊代「ブリッコはもう古いオトトちゃん時代よ」【週刊実話お宝記事発掘】

松本伊代
松本伊代 (C)週刊実話Web

ロシア生まれの作家、ウラジーミル・ナボコフの小説『ロリータ』(1955年刊)がスタンリー・キューブリックによって映画化され、成熟した女性とは違った少女の危うさが注目された時代。当時の『週刊実話』は、少女から大人のオンナになろうとするアイドルたちを追っていた。

●昭和57年2月18日号掲載『ヤングもアダルトも“おお!!ロリータ”』(1)年齢・肩書等は当時のまま

松本伊代の人気は爆発的だ。たいへんなブームで、「山口百恵以来の大物だ」といわれているくらい。

ブロマイドの売れ行きも、彼女とよく比較される伊藤つかさを抜いてトップだし、松田聖子より“伊代ブーム”。ファン層は十二、三歳から十六、七歳が多い。

「松田聖子や河合奈保子のような“ブリッコ”はもう古い。“オトトちゃん”の時代で伊代ちゃんのようなかわいい子、そんなアイドルの時代なんですよ」

“ブリッコ”は、松田聖子から生まれた言葉で、よい子ぶるとか、かわいいカッコするとかから生まれたものだが、これをサカナのブリにたとえ、さらに印象的な発想から“オトト”というんだそうである。

松本伊代は昭和四十年六月二十一日生まれの十六歳で、ただいま、堀越学園高校一年生だ。

昨年二月、TBSの『たのきん全力投球!』のオーディションに合格し、田原俊彦の妹役でデビューした。

ポッカリと穴があいたような大きな目が売り物で、「こんな妹がいたらいいなァ」と思うのが人気のヒミツのひとつ。

「伊代は“性の匂いのない新しいアイドル”だ。まったく、透明で、無色の純粋培養のアイドルといえる」と、評する人もいる。

身長一五六センチ、体重三八キロ、バスト七二センチ、ウエスト五五センチ、ヒップ八〇センチ。スリムな体ではある。

「三歳くらいまでは太っていたんですけど、消化不良みたいなのを起こしちゃって、ヤセて食べられなくなっちゃったの。だから、歩いていて“ウァー、細い”っていわれるの」

といっても、子どもの体ではない。

「伊代は“まだ”の部分と“もう”の部分とがある。スケベ心をそそられるのは“もう”の部分」

このごろの子どもは成長度が早い。

当然、“女のしるし”の方もある。

「うちの学校(堀越学園)は、男の子と話しちゃいけないの。それに、あんまり好きなタイプじゃない。だって、マユ毛剃っていたりして……」

男のコをみる目が発達してきている。

「好きなタイプでいえば、やさしくて、ユーモアがあって、やることがカッコよくて、かわいい人。どっちかというと、ナウっぽい現代人がいい。タレントでいえば、水谷豊さんみたいな人が好きだワ」

そろそろ、男のコの話になると、目を輝かせるトシごろなのだ。

「たのきんと一緒にお仕事する機会が多いせいか、たのきんファンの女のコには嫌われちゃうの。手紙にカミソリが入っていたり、わたしの写真をビリビリ破いて送ってきたり。でも、わたし、気軽に話しをしちゃうのよ」

年の割にはセクシーな伊代

「子供っぽいが、大変な魅力の持ち主。おとなをクラクラっとさせる青い性の魅力がヤングにも敏感に伝わったのでしょうね」(ビクター宣伝部・Yさん)

つまり、年齢のわりには、セクシーな部分が、ヤングの身体の中心部をジーンと熱くさせているのだろう。

それと、かつて、小枝のように細い身体で全世界のアイドルになったツィッギーのように、伊代の場合は、そのスリムな身体もヤングのハートをガッチりと握ったようだ。

ファッション界の最先端をいくのだという見方もある。

「太目の美人・宮崎美子がモテたのはその健康美です。太目の次には、細目がくるという予想でした。そこへ伊代チャンの登場です。スリム美人のモテる時代に移行したということです。スリムといえば、かつては、大場久美子が騒がれました。でも、彼女についてまわったのは“不健康”なイメージです。伊代チャンの場分は、そんなものはない。むしろ神秘的なムードもあるくらいです」(H広告代理店・Uさん)

手ばなしの“伊代礼賛”でもある。

ということは、伊代の人気はヤングだけでなく、アダルトも巻き込んでいるという証明につながる。

「以前『ロリータ』という映画が日本で公開されました。これは、少女が大のおとなを性のトリコにする映画でした。この主人公のような、セクシーさをふりまいている。もちろん、それは本人のあずかり知らぬところでしょうね。持って生まれた天性のものだと思います」(洋画宣伝部員)

審美眼の鋭い人たちからみても、伊代には青い性の魅力いっぱいということになる。

おとなをトロケさせるような魅力は、やはり、スリムな身体つきにある。

「明治生まれのひとの求める美人の条件は“いまと同じスリムなんですね。グラマー好きというのは戦後の産物です。なにしろ、“女はハリガネ細工のように細いのにかぎる。抱いていてどこか、こわれるのじゃないかと、心配しながらも、こちらの身体が熱くなるような女が一番”というのが、明治生まれの男の言葉でした。うちのオヤジが明治生まれ。そのオヤジが、伊代チャンの出演しているテレビの画面をジッと見て、ニタラニタラしているんです。青春時代を思い出しているんでしょうかね。老人には活性剤のような効果を与えるタレントです。もちろん、わたしも伊代チャンタイプ大好き。もしも、あんな子が風俗にいたら毎週通っちゃいますね」(東京・新宿区・商店主Oさん)

いやはや、老人から中年まで、伊代チャンに魅せられているのだから世の中どうなってんのだろうと心配にもなる。

そうはいっても、伊代チャン・ファンの大部分は中、高校生たち。

思春期、ニキビ面、ドラ声のヤングたちはもう、大変なイレ込みようだ。

神秘的な感じの瞳が魅力的

冷静にモノを見るマスコミ関係者の間でも評判はいい。

「不思議な魅力の持ち主です。瞳がとっても魅力です。スイスのレマン湖の深さを思わせる神秘的な感じ。それと小悪魔的なところもある。21世紀の生んだニンフェット(編集部註・ウラジーミル・ナボコフの小説『ロリータ』の主人公が少女を指した言葉)です」(スポーツ紙N記者)

彼女は双子座。

「この星座の人は、自分のまわりのあらゆることに興味を持ちます。なんでも知りたがり、実行したがります。食べ物、お金、セクシーなことでも。ですから、一つの愛に釘づけにされることはなく、さまざまにいろどられた恋の旅路をさまようことになります」(LOVE占星術・門馬寛明氏)

その原因は「知的好奇心」だという。

「恋をするときでも、相手の心理を分析することに楽しみを見出します。深い恋仲になって、相手を知りつくしてしまうと、すぐに飽きがきて、別の恋を知りたくなります。恋は男女のゲームであるというクールな考え方を持っていますが、いい加減な恋はしません。恋をするときは、いつも真剣で知性的で美的センスのいい男性にひかれます」(LOVE占星術・門馬寛明氏)

では、夜の方はどうか。

「思いつきや変化をふんだんに取り入れられます。その原因は好奇心です。じっくりと時間をかけて相手を興奮させ、その恍惚の表情をみて楽しむのです」(同)

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