ロシア生まれの作家、ウラジーミル・ナボコフの小説『ロリータ』(1955年刊)がスタンリー・キューブリックによって映画化され、成熟した女性とは違った少女の危うさが注目された時代。当時の『週刊実話』は、少女から大人のオンナになろうとするアイドルたちを追っていた。
●昭和57年2月18日号掲載『ヤングもアダルトも“おお!!ロリータ”』(2)年齢・肩書等は当時のまま
デビューして三年目、発売したばかりの新曲『赤いスイートピー』も好調に売れ、“ぶりっ子”の愛称まで生んだアイドル・ナンバー・ワンの松田聖子(19)も、三月十日でハタチになる。
「近ごろ、青い性の成熟度がますます顕著に見られるようになった」
と、いう声がとみに多い。
デビュー早々は、カワイ子チャン歌手で売っていた。
「昨年の後半から徐々に変わってきました。『風立ちぬ』を歌いはじめてから、アイドルを脱皮して、陰のあるおとなの女性の味も出すようになってきました。若さだけで売るのではなく、これからは、ホンノリとしたお色気を折り込んでいくようになる」(CBC・ソニー販売促進部・S課長)
無邪気な可愛さから、おとなの色気を持つタレントへの移行の時期だとみる向きもあるものの、まだまだ魅力はその青い性。
「おとなと子供のちょうど半分ぐらいの時期が、一番、ヤングにとっては魅力なんですね。おとなになってしまっては、ヤングは手の届かない存在になったと考えちゃう。子供の部分があるから、まだ自分たちの仲間なんだ、という意識がある。そこが、魅力のポイントにもつながる」(心理学者・大旗泰三さん)
ま、こういったヤングの精神分析も必要だろうが、「なぜ、聖子チャンばかりモテるのか」といった現象面、心情的な騒ぎの方が興味は尽きないはず。
「もう理くつじゃないよ。好きは好き。どこも好き。あの細っそりとした身体つきがなんともいえない。誰かが守ってあげないと倒れるのじゃないかという感じ。その可憐さがボクたちのハートを燃えさせるのだ」(私立高校三年生・I君)
やせているほうが弱々しく見える。“保護本能”をかきたてる。聖子チャンの細く弱々しい雰囲気、昔ならば腺病質、いまならば虚弱体質タイプである。
こういったタイプが、ヤングの好みの時代なのだろう。
「実際そうですね。細い身体つきのタレントがモテる時代です。食事もロクロクとらず減量につとめ、録画撮りの時、貧血を起してブッ倒れた子も多勢いる。榊原郁恵、柏原よしえ、河合奈保子らがモテるのは、ボイーンに魅力があるからで、ヤングの好みは、ホッソリ型か、ボイーン派かに分かれてきたようで、圧倒的にホッソリ型のほうが人気があるみたいだ」(TBS・Aディレクター)
おとなの目からみればボイーンの方が肉体派、濃厚なセクシーを感じられるとみられるが、ヤングはそうでもないらしい。
聖子チャンの場合、その身体つきのほかにクチビルに魅力を感じるファンも多い。
ややポッテリ型のクチビルと白い歯。健康的なお色気を漂わせるのだ。
益々セクシーになる聖子!
その聖子チャン、ことしはアイドルを脱皮して、
「キスシーンにも挑戦します」
と宣言しているので、セクシー度も上昇しそう。
「いろいろとチャレンジをして、おとなになっていくほうがいい。セクシー度、お色気は女の武器。男性ファンにとっては、お色気のある女性タレントはいつもあこがれの的。聖子チャンがますますセクシーになるのは大歓迎」(音楽評論家T氏)
彼女がバージンかどうか、論議されたことがある。福岡当時のウワサ話で、結局はタメにするデマだったようだ。
たのきんトリオの田原俊彦との“仲”とか郷ひろみとの“結婚説”などさまざま。たしかに女っぽくはなった。
「好きな男性はいます。名前はいえないけど、デビューしてから、ずっとひとりの男性を思っています。好き、というよりアコガレかな」(聖子)
その男性は、彼女が、なにを質問しても、答えてくれる人だという。
彼女は身長一五八センチ、バストはデビュー当時より二センチ大きくなって七八センチ、ウエスト五六センチ、ヒップ八三センチ。確実に“女”の体になってきた。
十八歳のとき、グアムでポルノ映画をみたことがあるそうだ。
「とにかく、どんなものか、見てみたかったんです。十五分ぐらいの、すごく激しいので、気持ちがわるくなっちゃった。二度と見るもんじゃないと思いました。ああいう行為って、ほんとうは、愛し合う男女が求める一種の美だと思うんです。もっと美しいものですよね」
結婚は、以前は「二十一歳くらいで」といっていたが、このごろは、考えが変わったようだ。
「占いでも二十七歳といわれているので、二十七歳でしたいと思うの。結婚したら、絶対、仕事はやめます。ダンナさんの身のまわりの世話、全部やってあげたいから…」
しかし、まだアイドルで居たいという。
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