日本経済を司る財務相の口から、前代未聞の〝下ネタ発言〟が飛び出した。
鈴木俊一財務相が、日銀による大規模な金融緩和政策を転換し、金利上昇を招いた際の景気観測について、本来であれば悪化局面に陥ることを意味する「腰折れ」とすべきところを、なんと「中折れ」と発言したのだ。
「日本の景況」という重大案件を、〝EDの症状〟のように表現した噴飯ものの失言について、財務省担当記者が解説する。
「今回の失言は、7月22日の閣議後の会見で飛び出しました。鈴木財務相は役人が作ったペーパーを読み上げながら話していたので、明らかに〝誤読〟です。そもそも、『腰折れ』という単語は、曲がり角を迎える事態などによく使われる経済用語。こんな汎用性の高い言葉を、『中折れ』などという〝性交時の不具合〟を意味するワードと誤用するなんて、大臣としての教養や資質が問われます」
新聞各社は、武士の情けで「中折れ」を「腰折れ」に置き換えて報じた。しかし、海外通信社のロイター通信はそのまま「中折れ」と報道しているのだ。
「記事を執筆したロイターの記者は日本人です。『中折れ』の意味を十分に理解しながら、鈴木財務相のお粗末ぶりを伝えるために、あえてそのまま報じたようですね」(同・記者)
義兄・麻生太郎氏のゴリ押しで入閣
財務相にあるまじき低俗発言をした鈴木財務相とは、どんな人物か。政治部記者が語る。
「鈴木さんは、父親が鈴木善幸元首相という2世議員。実姉は麻生太郎元首相の妻で、自身の妻も宮澤喜一元首相のいとこで、まさに〝華麗なる一族〟ですが、これまで財務分野に携わったことはなく、経済用語に明るくないのでしょう」
では、なぜこんな人物が財務相という重責を担っているのか。自民党関係者が嘆息する。
「81歳と高齢の麻生氏は、近い将来の政界引退を見据えて、自ら率いる麻生派を、身内である鈴木さんに禅譲させたい思惑があり、その下地を作っているんです。そこで、昨年の岸田政権発足時に、〝箔付け〟のために鈴木氏を財務相にねじこんだのです。鈴木氏はいたって凡庸な人物で、財務省の官僚たちは『扱いやすい』と高をくくっていますが、今回のような誤読を繰り返される恐れもあるので、答弁書には細かくルビを振るなどして警戒を強めています」
さすがは、未曽有を「みぞゆう」、怪我を「かいが」と読み間違えて国民の失笑を買い、自民党下野のA級戦犯となった麻生氏の義弟である。鈴木氏も、自らの言動次第では、麻生氏のように栄達が「中折れ」になりかねない。