感染力の強い新型コロナウイルスのオミクロン株亜系統『BA.5』に置き換わり、新規感染者が全国で爆発的に拡大している。
現段階で政府が飲食店に対して『まん延防止等重点措置』などの発令を出さないと発表したことで、飲食店や水商売関係者が再び経営危機に直面している。
3月21日に全国でまん延防止等重点措置が解除。酒類を提供する飲食店業者は客足が戻ると期待したが、そうはならなかった。
酒類小売チェーンを展開する『カクヤス』が、まん防解除の3カ月後、同社ユーザーを対象に〝外飲み事情〟についてアンケート調査を行ったところ、「外飲み復活者」は33.6%。「外飲みしなくなった」「頻度が減った」は75.3%で、約3割強が〝家飲み〟に転向している。
「政府は現段階で行動制限は設けない方針というから、給付金はあてにできない。店の今後が不安でしょうがない」(東京・江戸川区の小料理屋店主)
「客足が遠のく『二八』(2月と8月)にコロナ感染が再拡大した。営業時間短縮要請などがなければ、協力金は入らない。コロナ禍で一番厳しい8月になりそう。潰れる店が続出するはず」(東京・銀座のバー関係者)
お盆休みも重なる“魔の8月”
日本では2020年4月に緊急事態宣言を発令。飲食店などに臨時休業や営業時間短縮を要請し、その後も制限などを繰り返してきた。政府や都道府県は、要請に応じた各店舗に協力金を支給することで、どの店舗も急場を凌いできた。
「不正に受給した不届き者の〝給付・協力金太り〟はありましたが、大半の飲食店は助けられました。しかし、お客さんが来てくれないと店はやっていけません。近くの小料理店や居酒屋もお客さんが3〜5割減のままで似たような状態です。お客さんに聞いたら〝コロナ禍で家飲みに慣れてしまって、仕事が終わると、そのまま帰る癖がついてしまった。外に飲みに行くのが面倒〟なんだそうです」(東京・深川の居酒屋店主)
8月はお盆の長期休暇も重なる。飲食業界関係者は「飲食店にとって今年は『魔の8月』になりますよ」と不安を隠せないでいる。
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