『海上48hours -悪夢のバカンス-』
監督/ジェームズ・ナン
出演/ホリー・アール、ジャック・トゥルーマン、キャサリン・ハネイ、マラキ・プラー=ラッチマン、トーマス・フリン
配給/ギャガ
夏はやっぱり、気軽に楽しめる作品がいいですよね。物思いにふける作品を求めがちな秋に比べ、夏は派手なアクションやホラーでも、何も考えずに楽しみたいと思うから不思議です。
今回ご紹介する作品は、そんな夏お約束のパニックスリラー。以前、この連載でも紹介した『海底47メートル』の第2弾です。『海上48hours』のタイトルを聞いた瞬間、〝次は海上!? バカだなぁ〜〟と思わずニヤリ。ただ、過去にクルーザーに取り残される『オープン・ウォーター』という作品はあれど、水上バイクはなかった。見る者を恐怖に陥れる最高のシチュエーションに期待度はMAXです。
若者たちがパーティーして…と、こういうパニック映画は必ず羽目を外す若者たちの行き過ぎた行動で始まります。アメリカから遊びに来た5人の男女がメキシコのビーチでテキーラを飲んで、酔っ払った勢いでイチャイチャしたりする展開。そして、一番まともそうな女性が怪しいオジサンに「気をつけて」と、まさに嫌な予感しかしないお言葉…。〝早く水上バイクに乗ってくれ!〟と、思わず心の中で叫ぶ私。果たして、どんな展開になるのか?
「頑張れサメ!」
桟橋に止めてあった2台の水上バイクを盗んで海へ繰り出す5人の仲間たち。最初はもちろん楽しくやってたけど、よせばいいのに、遊んでるうちにお互いのバイクに近づき、ギリギリのところでかわす度胸試しのチキンレースを始めます。うん、この流れは当然ぶつかりますよね。
案の定、1台の水上バイクはダメになって、もう1台はエンスト。しかも、携帯の電波の届かない所まで流され、プカプカ浮いてる水上バイクにみんなしがみつくしかない状態。さらに、周りには他の船も見当たらず、灼熱の太陽の下、たくさんの水に囲まれているのに、しょっぱい海の水は飲めません。
そこに、待ってましたのホホジロザメ! ありがとうございます。ここで敵が現れないと、単に待つだけの映画になります。
泳げない人、怪我する人、そして浮気がバレる人、〝みんな頑張れ〜!〟と思いきや、見た人に聞くと「頑張れみんな!」ではなく「頑張れサメ!」です。こんなバカな行動をした若者たちは自業自得ですよ。
やっぱり、今作では、パニック時の映像と、美しい海に癒やされる映像が交互に押し寄せるので、刺激を求めたい人には超オススメ。ポップコーンを食べながら見るのにピッタリの1本です。
LiLiCo
映画コメンテーター。ストックホルム出身、スウェーデン人の父と日本人の母を持つ。18歳で来日、1989年から芸能活動をスタート。TBS『王様のブランチ』、CX『ノンストップ』などにレギュラー出演。ほかにもラジオ、トークショー、声優などマルチに活躍中。
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