オミクロン株による新型コロナウイルス第7波で、国内の新規感染者数は7月17日まで3日連続で10万人を突破した。21日には新規感染者が18万6246人と発表され、過去最多を更新。累計の感染者も同14日に1000万人を超えている。
厚生労働省に対策を助言する専門家組織『アドバイザリーボード』の脇田隆字座長は、記者会見で「オミクロン株派生型BA.5の感染力はBA.2の約1.3倍強く、BA.5の広がりが第7波の急拡大の要因になっている」との見解を示している。
全国的に見ても、7月14日時点で新規感染者が8日連続で前週比2倍以上となっていた。
公衆衛生が専門の医師で作家の外岡立人氏が言う。
「新型コロナ発生以来、最大の感染者数を出しました。オミクロン発生時、3回目のワクチン接種が遅れ、集団免疫が低下した。発生したオミクロン株のBA.1は予想外に感染力が強く一気に拡大した。しかも、集団免疫の低さから、ピーク後の感染者発生抑制力が弱まり、感染者発生数が半減するのに2カ月を要した。そんな中、新規変異株BA.5が現れ、これまでにない速度で感染が広がりだしたのです」
無責任なワクチン接種の流れ
オミクロン株の変遷を追うと、政府の対策は後手後手すぎる。そこへこれまでのワクチンを打っても、あまり効果がないとされるBA.5が登場した。
7月9日、10日のプロ野球「ヤクルト対阪神戦」。ヤクルトの高津臣吾監督、山田哲人内野手ら複数のチーム関係者が新型コロナの陽性判定を受け、両日の試合が中止になった。
「こういった事案を回避するには、ワクチンにウイルスのスパイクタンパク成分の抗体産生を促す改造が必要とされています。米国FDA(食品医薬品局)は、今秋から接種予定のワクチンは改造ワクチンが必要であることを緊急声明で出し、現在、作成中です。日本はどうするのか。米国のワクチンを買うのか、それとも自前で作るのか。何の説明もないまま、国を挙げて同じワクチンの4回目接種を行うというのは、あまりにも無責任です」(同)
政府の不作為は目に余る。
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