6月30日、東京都の新型コロナウイルス感染症に関するモニタリング会議が開かれ、「感染が再拡大している」として感染状況の警戒レベルを上から2番目に1段階引き上げた。
「ワクチンも2回接種した人より、未接種者のほうが罹患率が低い世代もあり、医療現場は混乱しています」(サイエンスライター)
巷間では、新型コロナは終わりに近づきつつあるとして、楽観ムードが流れているのも事実だ。
公衆衛生が専門の医師で作家の外岡立人氏によると、
「ここ2週間で新規感染者が増えている。都の感染状況と同じことがヨーロッパでも起こっています。グラフで表すと、急にピョコピョコと増えている。日本から相当な遠隔地であるヨーロッパと日本では時間差が必要なのに、もし同じ変異株の仕業だとしたら説明がつかないんですよ」
先のモニタリング会議では、東京で感染者が増えている原因について、感染力が高いオミクロン株の新派生型『BA・5』への置き換わりが大きいとしている。
説明がつかないことばかり…
気掛かりなことは、まだある。隣国・台湾ではオミクロン株がまん延状態にあるというのである。
「台湾でオミクロン株が拡大し始めたのは、3月下旬です。台湾は厳重な検疫でウイルスの侵入を防いできました。台湾のオミクロン株は中国由来のものと思われます。台湾でまん延する前、中国・上海で流行っていたからです。上海が下火になったと思ったら、5月下旬には台湾で週に60万人近い新規感染者が出ている。直近28日間の感染者数は米国に次いで世界2位なのです」(厚労省担当記者)
さらに、現場を混乱させているのは現在、中国で季節外れのインフルエンザが流行していること。日本でも学級閉鎖になる学校が増えているという。
「コロナが流行している最中に、インフルエンザなどの呼吸器感染症は流行しないのが常識ですが、なぜか流行しているんですよ。その理由は分かりません。どうも説明がつかないことが多すぎる」(前出・外岡氏)
感染再拡大か終息か…、まだ予断を許さない。
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