日本映画の濡れ場シーンは数あれど、最も輝きに満ちていたといわれているのが1980年代。
今や芸能界を代表する大女優のほとんどが、一糸まとわぬ艶姿で激しく乱れてくれたのだから、何とスバラシイ時代だったことか…。
例えば高橋惠子(当時は関根恵子)。この時代の彼女は、それはそれはスゴかった。
「高橋は、1970年の『高校生ブルース』でデビュー。当時、まだ10代ながら大胆なフルオープンを披露して、一気に大映を代表するトップスターになりました。同級生と関係を持ち、妊娠してしまう役で、堕胎のために腹を蹴られて苦悶に呻くシーンまであった。若さゆえのまぶし過ぎる張り、推定〝D級〟の芸術的美豊満。見てはいけないものを見てしまったような背徳感を抱かせるに十分な猥雑さもアリ、彼女はその後、時代の〝シンボル〟となりました」(映画関係者)
そして迎えた80年代。20代になった高橋は、貫禄十分の大人の色気を感じさせる妖艶濡れ場をいくつも見せてくれたのだ。
「彼女の〝女優魂〟が最も多く見られるのが、81年の『ラブレター』。主人公に囲われる愛人の役で、濡れ場の連続です。その肉体の美しさが際立つのは、タライの中に浸かり、主人公に洗ってもらうシーン。流れる水を弾くほどの美肌、あぐらをかいた高橋が見せる、うっとりとした表情は実にエロティックでした」(同・関係者)
また、82年の『大日本帝国』では、徴兵されて出征する兵士と結婚する女の役。
「結婚式の直後や、召集前夜のシーンでも拝めますが、圧巻だったのは帰還して気力を無くしている夫に〝あなたのものよ〟と迫るシーン。顔を埋められて半開きの口からこぼれる吐息の艶かしさは最高です」(同)
映画史に残る美しさ…
大麻を巡り、すっかりお騒がせなイメージがついてしまったが、高樹沙耶もデビュー作から〝女優魂〟を見せつけていた1人。84年、撮影時20歳だった高樹は、デビュー作『チ・ン・ピ・ラ』で、いきなりのフルオープン濡れ場を披露してくれた。
「高樹が演じるのは、暴走族に襲われているところを助けられる娘の役。相手は柴田恭兵でした。寝ている柴田を高樹が見下ろすシーンで、いきなりバストトップを晒しています。推定〝B級〟ながら、柔らかさと張りを両立させた見事なフォルム。しかも、水着の跡がくっきりとついていて、何とも生々しかった。全体的にソフトながら、仰向けになっても形を保ったそれに柴田が顔を埋めていくシーンは、映画史に残る美しさでしたね」(前出の映画ライター)
86年、自らの名前を冠した『沙耶のいる透視図』でも、しっかりと〝務め〟を果たしてくれた。
「名高達男(当時は達郎)演じるカメラマンが出会う、ミステリアスな女性の役。ヨットの上でのカラミシーンでは、暗がりの中でもピンクと分かる美しい色の先端を何度も責められ、悩ましい声を上げてしまいます。船内で身体を拭き、服を着ようとする高樹を植木の影から撮影するシーンでは、彫刻のような見事な美豊満が映し出されるのです」(同・ライター)
2020年代の女優たちも、彼女たちのような〝女優魂〟を少しでも見せてくれたら…。
~Part3に続く
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