北朝鮮の穀倉地帯で、腸チフスかコレラと思われる急性腸内性感染症が広がり、さらに食糧不足が深刻化する恐れが出ている。
「北朝鮮メディアは6月16日、金正恩総書記が李雪主夫人と共同作業で、患者の治療用にと『愛の不死薬』と自画自賛する自宅の置き薬を疾病のまん延地域に送ったと報じました。続いて、妹の金与正党副部長にも同様の行為が伝えられたのですが、その際、与正氏と一緒に写った男性の所作が常人には見えないことから『夫ではないか』との見方が浮上したのです。夫だとすれば、北朝鮮メディアに登場するのは初めてのこと。金ファミリー総出で〝愛の支援〟を演出しなければならないということは、正恩氏への批判が渦巻いていることを証明しています」(北朝鮮ウオッチャー)
韓国の政府系シンクタンクがまとめたところによると、今年に入って北朝鮮が発射したミサイル33発の費用は、総額で4億〜6.5億ドル(約536億〜871億円)にも上り、2022年の全国民(約2500万人)の食糧不足分はほぼすべてを賄えるうえ、またファイザー製のワクチンであれば、全員の接種が可能だという。
責任の所在はどこか分かっている
そもそも、現在蔓延中のコロナウイルスをまき散らした張本人は正恩氏だ。
「4月25日に平壌で、『史上最大の大政治・軍事祝典』と銘打った『朝鮮人民革命軍創建90年記念』の軍事パレードをマスクなしで開催した直後、対コロナ『非常防疫大戦』に入ったのですから、明らかに正恩氏の失政です。これが民主国家なら政権交代でしょうし、中国やロシアのような独裁国家でさえトップは失脚するでしょう。国民の間では『疾病で死ぬのも餓死するのも同じこと』と腹の中では、疾病の蔓延や食糧不足を正恩氏の責任と誰もが思っています」(外交関係者)
正恩氏は核・ミサイル開発での実績しかない。国民生活に直結する内政は、見ての通り失態を重ね、悪化の一途をたどっている。
「新型コロナや急性腸内性感染症に影響される飢餓が、金王朝転覆の引き金になるかも」(外信部記者)
独裁国家の行く末は?
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