2030年冬季五輪・パラリンピックの開催地に立候補している北海道札幌市で、市民の反対運動が活発化し、招致実現に暗雲が立ち込めている。
「札幌市は、1972年に冬季五輪を大成功させた実績があるだけに本命視されているんですが、札幌市民の招致反対派が賛成派を上回った。というのも、昨年の東京五輪・パラリンピックは誘致の段階で試算した開催経費の2倍に膨らんだ。そのしわ寄せは、都民に〝血税〟という形で跳ね返ってくる。札幌市民は、多額の税金負担に不安を感じているんでしょう」(札幌市在住のフリーライター)
札幌市が3月に行った市民の意向調査では「賛成」、「どちらかと言えば賛成」が計52%。「反対」、「どちらかと言えば反対」が計38%だった。しかし、1カ月後の4月に北海道新聞が市民を対象に行った世論調査では、賛成派が計42%に対し、反対派が計57%となり逆転したのだ。
殿様商売の札幌に反対派増加
72年の札幌冬季五輪では、スキージャンプ70m級(現・ノーマルヒル)で金・銀・銅を独占。「日の丸飛行隊」と呼ばれ、日本中を席巻した。あのときの興奮をもう一度とばかりに、札幌市は2014年に当時の上田文雄市長が冬季五輪・パラリンピック誘致を表明。並行して準備を進めてきた。
札幌市が昨年11月に発表した開催計画の概要によると、3100億円〜3700億円と試算していた開催経費を最大900億円削減し、2800億円〜3000億円に収めるという。
「札幌市は4年前に、北海道日本ハムファイターズが使用してドル箱だった札幌ドームの運用を巡って決裂。日ハムの要求を無視した殿様商売の札幌市は来年、隣の北広島市に本拠地移転されるという失態を演じていますからね。そのときの札幌市長が現職の秋元克広氏。彼が推進する札幌五輪・パラリンピックは今後、さらに反対する市民が増えますよ」(前出・札幌在住のフリーライター)
2030年大会には、カナダ・バンクーバーや米ソルトレークシティーなども意欲を見せているだけに、開催は危うくなってきた。
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