6月20日、NHK党の立花孝志党首が、テレビ朝日と同局のニュース番組『報道ステーション』司会者の大越健介キャスターを相手取り、計10万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こした。
事の発端は、6月15日に立花党首が、こうツイートしたことだった。
《明日、立花孝志がテレビ朝日の生放送に出演します。(中略)あたしは綾野剛の淫行について言及する予定です》
これに危機感を覚えたのか、『報道ステ』サイドは立花党首に、テーマから逸脱する発言があった場合は「しかるべく対応させていただく場合もある」との文書を事前に渡していたという。
迎えた16日の生放送で、立花党首は「リモート出演」だった。
自分の発言の番が回って来ると、「テレビをご覧の皆さん、テレビは核兵器に勝る武器です。テレビは国民を洗脳する装置です。テレビは国民が知るべき真実を隠しています」と、発言。番組側が、各党の党首に投げかけたウクライナ関連の質問とは趣旨が違うとして、大越健介キャスターが何度か立花党首を制する展開が続き、「求められていた発言でないので、ここで打ち切らせていただきます」と、ついにはリモート中継が打ち切られたのだ。
国政政党よりタレント事務所に忖度?
放送後、立花党首はYouTubeで事の顛末を洗いざらい暴露。テレ朝からの文書や〝念押し〟のような電話の録音データを公開するなど、対立姿勢を強めていた。
東京地裁で会見を開いた立花党首は、「参院選を前に党の主張の機会を奪ったことは表現の自由を侵害する」と主張。事前に文書を渡されたことに恐怖を覚えたと訴えている。
ちなみに、16日にはTBS系『news23』でも党首討論が放送されたが、こちらは「事前収録」だったため、立花党首の発言は不自然にカットされていた。
「立花氏は、参院選に暴露系ユーチューバーのガーシーこと東谷義和氏を擁立。『未成年淫行疑惑』や『脱税疑惑』など、ガーシーが〝悪行〟を暴露している芸能人たちが、何の説明も謝罪もなく、国民の共有財産である公共の電波を使ったテレビ番組に出演し、高額なギャラを稼いでいることを非難しているのです」(芸能記者)
東谷氏は、綾野剛と所属事務所をターゲットにしているため、6月29日から主演ドラマをスタートさせるTBSとしては、なんとしても立花党首の発言をカットする必要があったわけだが、テレ朝はなぜ立花党首の発言機会を奪ってしまったのか。
「綾野の事務所には、田中圭や小栗旬なども所属していますから、テレ朝も立花さんの発言をそのまま流すことはできなかったんじゃないか。とはいえ、国民にとって大切な参院選前に、国政政党の党首の発言より、タレントの事務所に忖度したとなれば、『報道ステーション』の看板が泣く事態だと思いますけどね」(同・記者)
質問はウクライナ問題に関するものだった。途中で大越キャスターに遮られたため、立花党首の主張がどう着地する予定だったかは不明だが、「テレビは核兵器に勝る武器です。テレビは国民を洗脳する装置です」という話からウクライナ問題に展開することは十分予測できる。
この段階では、テーマから逸脱する発言だったとは思えないが、テレ朝は裁判でどう主張するのか。
この発言遮断問題は、『朝まで生テレビ!』でも取り上げるべきだ。
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