映画監督の河瀨直美氏と、前内閣総理大臣の菅義偉氏が、6月7日に都内で対談を行った。
同監督がメガホンをとった東京五輪の公式ドキュメンタリー映画『東京2020オリンピック SIDE:A』のイベントだったが、河瀨監督はいきなり菅氏に「話がうまくないと言われていたかと思いますが」とぶっ込み。
菅氏は、苦笑いでこう返した。
「無駄なことは話さないようにしていましたね。もともと秋田で生まれ育って、そういう面で必要なこと以外はあまり言わないような性格でした。結果を出して審判してもらうのが政治家として大事だと思っていましたので、そういうやり方で来ていますけど」
当時は「開催が近づくにつれて、呪われているかと思うくらい色んな問題があった」と振り返った菅氏は、コロナ感染の水際対策をしっかりやった上で、「世界に対して、日本が手を挙げた責任を果たしたいという思いがあった」と、しみじみ語っていた。
是枝裕和監督が撮っていれば…
750日、5000時間にわたって東京五輪を撮り続けた膨大な記録を元に、河瀨監督が総監督として、異なる視点から描いた2部作。アスリート視点の『SIDE:A』が3日に公開され、24日からはボランティアや医療従事者ら〝大会を支える側〟を描いた『SIDE:B』が公開される。
菅氏までイベントに駆り出すなど、大々的にPR活動が行われているが、全国の劇場では閑古鳥が鳴いており、このままだと〝歴史的な不入り〟に終わりそうだという。
「1964年の東京五輪でも、名匠・市川崑監督が総監督をつとめた映画『東京オリンピック』が公開され、ヒットしていました。今作も〝二匹目のドジョウ〟を狙っての企画でしたが、予想をはるかに下回る不入りで配給元の東宝の幹部も頭を抱えている」(映画関係者)
公開前に、河瀨監督のスタッフに対する〝パワハラ疑惑〟が噴出したことも影響しているようだ。
「ネットには、『そんな監督の映画は観たくない』といった趣旨の書き込みも見られます。本来ならば、是枝裕和監督あたりにお願いしたかったようですが、河瀨監督がグイグイ売り込んだと聞いています」(同・関係者)
菅氏の言うように、〝東京五輪の呪い〟は、まだ続いているのかもしれない。
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