野菜の中でも、血液サラサラ、疲労回復、むくみ解消、免疫力アップ、動脈硬化予防に効果がある食物繊維やカリウムなどの栄養価を含む玉ねぎが、スーパーマーケットから消えた!
「昨年は玉ねぎ1個100円だったのが、200円。それでも毎日のように利用するスーパーでは、入荷不足で玉ねぎが見当たらない。カレーやハンバーグが作れない。子供を抱える家庭には、玉ねぎ不足は深刻です」(東京・江戸川区内の主婦)
農林水産省が5月24日に発表した玉ねぎの全国平均小売価格は、過去5年間の平均値の2.2倍。価格高騰は昨年夏、国内生産の約7割を占める北海道の干ばつが引き金になった。
「干ばつで北海道産玉ねぎの収穫量が減少したことで、昨年末から市場価格が上がり始めた。昨年末から3月下旬にかけ平均1.6倍程度で推移してきたんですが、4月下旬には2倍以上に高騰した。5月中旬には1キロ550円。平年比2.1倍になっています。加えて、国内の玉ねぎ需要を支えてきた『産地リレー』もスムーズに機能しなかった」(豊洲市場青果棟仲卸業者)
天候不順が産地リレーを狂わせた
産地リレーとは、夏頃から北海道産の玉ねぎの収穫が始まり、翌年5月頃まで市場に出回る。春先からは全国生産2位の佐賀県産や3位の兵庫県産の出荷が増えて、年間を通じて手頃な価格で国産玉ねぎが手に入るシステムのこと。
「北海道は夏の干ばつ。佐賀県も気温低下の影響で生育が遅れたうえ、春先の長雨で収穫作業が進まず出荷が大幅に遅れた。産地リレーのリズムが狂い、全国で玉ねぎ不足になったんです」(フードアナリスト)
結果、〝スーパーから玉ねぎが消えた〟ことで家庭、町中華、洋食店、それに玉ねぎを大量に使うカレー専門店に影響が出ているのだ。
「大手飲食チェーンでは外国産玉ねぎを使用する店もあるが、輸入の9割を占める中国産はコロナ禍によるロックダウンの影響などで出荷量が激減、価格も上昇していますよ」(同)
玉ねぎは、オニオンスライスなど生で食べるのが一番栄養価が高い。夏に向け玉ねぎ不足は深刻だ。
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