アメリカから遠く離れた〝巨人で再会〟なんてことになるのか?
負傷者リスト入りしていたパイレーツの筒香嘉智内野手が、6月3日に屋外での練習を再開させた。「腰部の筋肉を損傷した」と発表されたのが、5月27日。練習は塁間ほどのキャッチボールや軽めのノックといったものだったが、表情は至って明るかった。
「順調に回復しているみたい」(現地メディア)
しかし、もうパイレーツには戻る場所がないといっても過言ではないだろう。戦線を離脱するまでの打撃成績は、打率1割7分7厘、本塁打2、打点15。年俸400万ドル(約5億2300万円)に見合った働きはできていない。筒香の年俸はメジャー全体では高くないが、パイレーツは若手育成のチーム。チーム内では3傑に入る高年俸プレーヤーなのだ。
「地元メディアが『sunkcost』と、酷評していました」(同)
「sunkcost」とは、回収不可能な埋没コストの意味。今後はウェーバー公示され、他の29球団が獲得に手を挙げなければ自由契約になるというのが大方の見方だ。
つまり、〝三度目の解雇〟は時間の問題のようだ。
「新たにマイナー契約を結び直すのかどうかは、筒香次第。でも、メジャー再昇格の可能性も考えなければなりません。当然、日本の球団からもオファーはあるでしょうし、再昇格が見込めないようなら、NPB帰還も真剣に考えなければなりません」(同)
巨人のポランコとパイレーツでニアミス…
筒香に「帰ってこい」とメッセージを送るのは、古巣のDeNAだろう。ほかに、巨人、西武、ソフトバンクなども考えられる。
「筒香が日本に帰還したら、巨人のポランコも感じるものがあると思います」(球界関係者)
G・ポランコは今季より巨人に移籍してきた。近年、巨人の助っ人外国人はパッとしなかっただけに、「久々の当たりクジ」とも言える。そのポランコが「筒香帰還」になぜ特別な思いを持つかというと、2人はパイレーツで〝ニアミス〟していたのだ。
「筒香がパイレーツ入りしたのは、昨年8月16日。ポランコがパイレーツを追われたのは約2週間後の28日です」(米国在住記者)
筒香は去年、背番号32だった。今年から25番を付けているが、この番号はポランコがつけていたものだ。
そもそも、ポランコは2017年のWBCのドミニカ代表で最優秀外野手に選ばれたように、プロスペクト(有望株)と位置づけられていた。しかし、19年に利き腕の左肩を故障。以後、攻守ともに精彩を欠き、21年シーズンに見放されたのだ。
「ポランコに代わる左打ちスラッガーをパイレーツが探し求め、筒香獲得を決めたのです」(同)
筒香獲得が決まらなければ、ポランコはパイレーツに残っていたかもしれない。だが、巨人からのオファーをプラスに捉えて、本来の打撃力を取り戻すことができた。
筒香もそんなポランコとNPBで再会できれば、再び前向きな気持ちになれるかもしれない。
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