交流戦で巻き返しできなければ、ジ・エンド――。
「阪神は、いつの間にか3点以内のチームになっていました」(ベテラン記者)
「3点以内」というのは、5月20日の巨人戦(2-6)に敗れるまで、勝っても負けても投手陣が相手打線を3点以内に抑えてきた。それも21試合連続で。その間、1点差負けは5試合もあり、ペナントレース全体で見れば、完封負けは11回。こちらは12球団ワーストだ。
「得点好機であと1本が出ません。3点以内に抑える投手力があるのだから、もっと打てれば、最下位脱出も難しくないのに…」(同)
交流戦は指名打者(DH)も使える。だが、パ・リーグには好投手が多いため、打撃優先のスタメンに変更しなければならない。
「マルテが故障から帰ってきました。それまで一塁を守っていた大山悠輔が外野に回り、佐藤輝明が三塁とライトを兼務しています。糸井嘉男を使う時は佐藤が三塁、守備重視でセカンドに若手を使う時は糸原健斗をサードに回し、佐藤がライトでスタメンとなります」(在阪記者)
昨年のオリックスのように…
今季好調の糸井は外したくない。打撃面でも期待できる髙山俊、陽川尚将、代打待機の原口文仁らも同時に起用するとしたら、DHがあってもまだ足りない。そこで、浮上してきたのが二塁・佐藤だ。
「佐藤ならできますよ。実際、3月12日のオープン戦で佐藤は二塁を守りましたから」(球界関係者)
そのとき、矢野燿大監督は「オプションとして」と、二塁手で起用する意思も明かしていた。
「矢野監督は、三塁手なら佐藤より糸原のほうがよいと判断しています」(同)
2人は23試合ずつ三塁を守っている。佐藤の失策数は5、糸原は2(23日時点)。佐藤が二塁に回れば打線は強化できるが、スタメン出場することになる髙山たちの守備も拙い。
「エラーによる失点も覚悟したハイリスク&ハイリターンの打線となる。昨年の交流戦1位のオリックスはその勢いで優勝しました。阪神は2位でした」(前出・在阪記者)
矢野監督は、〝自分たちの野球〟をやりきることを誓い、井上ヘッドコーチは「開幕から『どうしたんや、阪神!』と言われてきた。交流戦でしか、グッといくチャンスはないと思うし『どうしたんや返し作戦!』で、やっぱり阪神来たなと思わせたい」と意気込んでいるという。
猛虎に変貌を遂げるか。