去る5月11日に報じられ、日本中に衝撃を与えた『ダチョウ倶楽部』上島竜兵さんの急死。これに対する日曜朝の2大ワイドショー『サンデー・ジャポン』(TBS系)と『ワイドナショー』(フジテレビ系)の論調は、対照的なものとなった。
多くの芸人が追悼したとあって、『爆笑問題』太田光、『ダウンタウン』松本人志と大物がコメントを発するこの日の両番組は、大きな注目を集めることに。「サンジャポ」は前日にコメントが発表された肥後克広と寺門ジモンの「皆で突っ込んで下さい」という意志を汲み、出演者たちが明るい雰囲気で上島さんの思い出を語っていく。
太田は「焼き場で骨上げのとき、箸渡さない方がいいよね」と、ダチョウ倶楽部のおでん芸になぞらえたボケを展開。その後も、日本中のショックを推し量りながら、肥後の「突っ込んで下さい」というコメントに「いやもちろん、それはそうですよ」と共感する。
最後は、「芸人は先に死んだヤツは負けですからね」と〝芸人論〟まで展開。「それは何言われても、どうイジられてもしょうがないですから。死んじゃってんですから。それが嫌でみんな生きてんですから(笑) イジられるのはしょうがないですよね」と、死してなお上島を〝芸人〟として扱うリスペクトを見せたのだった。
一方、裏番組である「ワイドナショー」は真逆の雰囲気となる。
ゲストのモト冬樹らが悲しげに思い出を振り返るなど、進行役の東野幸治を除き、番組は重苦しい雰囲気。その空気を最も作り出しているのは松本で、コメント途中「ちょっとごめん… 岩井に振ってくれる?」と中断。『ハライチ』の岩井勇気に話を振るよう求め、口元を隠して感情を押し殺すような様子を見せた。
「松本人志より太田光の方が全然深い」
東野は岩井に振らず、上島さんとの思い出を語るフォローをしたが、松本はさらに声を震わせ「『ダチョウ倶楽部』の芸とかお笑いがテレビではやりづらくなってて」「あの芸が有害なんてちっとも思わない」「BPOさんどうお考えですかね、ってちょっと思いますね」とコメント。その様子は涙を堪えるようにも見え、スタジオは終始重苦しいムードだった。
「かつて太田プロ所属だった『爆笑問題』は『ダチョウ倶楽部』の後輩、『ダウンタウン』はほぼ同期と、ともに上島さんとは長い付き合い。それぞれ思い思いの追悼の仕方なので、どちらが正解ということはないでしょう。しかし、肥後の意志を継ぎ〝芸人〟として上島を扱う太田、しんみりとし〝目の敵〟であるBPOを批判する松本と、正反対だったのは興味深い現象でした」(お笑い事情通)
2人の差はネット上で、
《自殺の理由なんて当人にしか分からないのに、「分かりませんよ」と前置きしつつもBPO悪者にする持論を展開していて正直「えええ。。」と思った松本のコメント》
《太田は真の芸人》
《サンジャポ良かったわ 変に暗くせずちゃんとイジってたし 爆笑のコメントも良かった》
《松本人志より太田光の方が全然深いし笑いに昇華してたわ!》
《松本はこういうときに中途半端に真面目なこと言おうとすると全くの的外れか要らんこと言って炎上する》
《松本はやっぱ知能だけやと太田に勝ちようがないなと思った》
などと論争の的に。対極的だった対応は、太田に軍配が上がったようだ。
どちらの対応がよりうれしいか上島さんに尋ねたいところではあるが、残念ながらそれもかなわない。
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