これが地元、名古屋のバンテリンドームだったら、ちょっとした騒ぎになっていただろう。
去る5月6日、鳴尾浜球場で行われた阪神との二軍戦で京田陽太と根尾昂の二遊間コンビが誕生した。「二塁・京田、遊撃・根尾」、地元ファンはこの布陣を一軍のナゴヤドームで見たかったはず。しかし、今回のこの二遊間コンビの実現は〝負のイメージ〟しかない。
「京田は今月4日、打撃不振に加えて、覇気のなさを立浪和義監督に叱責されました。途中交代となり、その場で二軍降格が告げられ、試合終了まで球場にいることも許されませんでした」(名古屋在住記者)
その京田の降格が、根尾の〝ツラい現状〟も浮き彫りにしてしまった。
「京田の代わりに昇格したのは、プロ12年目の三ツ俣大樹でした」(同・記者)
話は前後するが、根尾は京田よりもひと足先の4月21日に二軍落ちした。しかし同日、立浪監督自らが根尾を呼び寄せ、「ショート再コンバート」を伝えて発奮させた。
「1年後輩の石川昂弥がチャンスをつかみました。高橋周平のケガにより、立浪監督が『打てなくても使う!』とガマンの起用を宣言し、その期待に応えました。『次は根尾の番』という空気になったんですが…」(地元関係者)
その後、二軍で奮闘しているが、根尾に求められるのは打撃力のアップ。京田と二遊間コンビを組んだ6日は3安打と爆発したが、安定が続かないのだ。
棚からぼた餅の一軍昇格…
「不甲斐なさは本人がいちばん分かっているはず。結果を求め過ぎてボール球に手を出しています。ショートの守備? 可もなく不可もなくって感じ」(同・関係者)
そうした中、チーム内に激震が走ったのが新型コロナウイルス感染だ。5月9日から10日にかけ、平田良介、木下拓哉、鵜飼航丞、そして前述の石川と、主力選手4人の陽性が判明。その結果、隔離を余儀なくされたことで、急きょ根尾が一軍に合流することに。早速10日に行われたヤクルト戦のスタメンに名を連ねた。
「まさに、棚からぼた餅。しかし、今回の一軍昇格は実力で上がったものではなく、主力選手のコロナ隔離によるものですから、素直には喜べません。しかも、10日のスタメンの守備位置は、再コンバートしたはずのショートではなくライト。打撃の方も3打数無安打と散々な内容で、アピールどころか印象を悪くしました」(同)
立浪監督はホームゲームで高い勝率をキープしており、絶大な支持を得ている。根尾は打てなければ、「立浪監督はチャンスを与えたのに」と、バッシングに発展するかもしれない。
「8日の二軍戦では投手起用もされましたが、二刀流は打撃力がなければ意味がありません」(野球ライター)
根尾、大ピンチだ。
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