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『ヤマトシジミ』三重県四日市市/鈴鹿川産~日本全国☆釣り行脚

日本全国☆釣り行脚
日本全国☆釣り行脚 (C)週刊実話Web

「貝はやめて下さい」と担当の編集者さんから言われ続けて数年。さあ、今年も潮干狩りの季節がやってまいりました。ワタクシ、貝は採るのも食べるのも大好きであります。

干満の差が大きくなる今の時期、大潮の干潮時にはことさら大きく潮が引き、二枚貝の旬が重なるとあって潮干狩りの好シーズンを迎えます。各地の潮干狩り場は行楽客でにぎわい、人気の潮干狩り場などは家族連れも多く見かけます。そして、意外とお子さんやお父さん以上に、夢中になって潮干狩りに興じるお母さんを目にすることが多いように感じます。この潮干狩りに夢中で無防備となった若妻の谷間や、あらわになった腰回りを眺めるのが、これまた実に趣のあるものなのですが、それは置いておいて、今回はあまりメジャーではない所で静かに貝と戯れたいと思います。

近鉄電車に揺られてやって来たのは、三重県四日市市。普通列車しか停まらないひなびた雰囲気の楠駅に降り、〝キンミヤ焼酎〟で知られる宮﨑本店さんの建物群などが建つ、歴史を感じさせる路地を歩いて鈴鹿川派川のほとりにでます。

日本全国☆釣り行脚
日本全国☆釣り行脚 (C)週刊実話Web

河原の土手の上から川を眺めると、平日とあってか潮干狩りとおぼしき人影は遠くの河口部に4~5名ほど。目の前の河川内には誰もいません。今回の目的であるシジミは、河口部よりも河川内が狙い目となるため、「これは静かに貝と戯れられるわい」と土手を降り、早速、川に入ることにしました。

どこの川よりも立派なサイズ

一口にシジミ採りと言いましてもポイントはさまざまで、ワタクシ自身もやる大阪や東京の都市河川などでは、泥深く、ちょっと深みまで歩を進めると、足が埋まるようなことがよくあります。ですが、今回の鈴鹿川はきれいな硬めの砂底で、流れる水もきれいなので歩いているだけでも、とても気持ちがよいものです。

シジミの多いポイントでは川底に転がる貝殻が多いので、川底を見ながら歩いていると、そこかしこに転がる大きなシジミの貝殻が目に留まります。そして、それらの貝殻に混じって、ん? 中身が入っているのでは? という個体があります。試しに拾い上げて確認すると、なんと中身入りじゃないですか。これなら腰を屈めて砂を掘る必要もなく、極めて楽マン、いや、楽チン。浅い川の中を散歩気分で歩きつつ、「道端に10円玉でも落ちていないかしら?」の心境になって、ひたすら川底を眺めながらのシジミ拾いとなりました。

シジミ
シジミ (C)週刊実話Web

それにしても特筆すべきはシジミの大きさ。この連載でも書かせていただいているとおり、昨年の矢作川、一昨年の淀川など、潮干狩りシーズンには毎年どこかで楽しむシジミ採り。ここ数年は毎年、大型台風の襲来の影響からか、どこも小型ばかりで、今回のように黒くて大きいのは、ご無沙汰だっただけに嬉しくなってしまいます。

出汁もしっかり栄養満点

夢中になって川底を見つめながら中腰で歩くうちに、食べるには十分な量のシジミを確保。粒が大きいのでつい嬉しくなり、「まだヤリ足りない…」などと頑張ってしまいますが、何事も腹八分目が肝要ということで、適当な頃合いを見て川から上がることにしました。

帰宅後はシジミを一晩砂抜き。翌日、酒蒸し・つくだ煮・味噌汁のシジミ三昧を肴に、酒はもちろんキンミヤ焼酎(亀甲宮焼酎)で晩酌を楽しみます。シジミが大粒ゆえ、酒蒸し、つくだ煮ともにしっかりした食感と、シジミの風味が強く感じられて、これはかなり優秀な肴です。味噌汁も同様にシジミの出汁がしっかりと出ており、滋味深い味わい。そして、キンミヤ焼酎の滑らかといいますか、実にまろやかで口あたりのよい飲み口に酒も進み、シジミを夢中でつまむうちに完食。

酒蒸し、つくだ煮、味噌汁
酒蒸し、つくだ煮、味噌汁 (C)週刊実話Web

よい気分になって、ちょっと飲み過ぎてしまいましたが、シジミは健康によいビタミンB1やB2、タウリン、さらには肝臓によいオルニチンを豊富に含む食物ですから、多少の飲み過ぎはご愛嬌ということで。

あ、次回は、貝ではなくて魚釣りなので、今回のシジミもご愛嬌ということで…。

三橋雅彦(みつはしまさひこ)
子供のころから釣り好きで〝釣り一筋〟の青春時代を過ごす。当然のごとく魚関係の仕事に就き、海釣り専門誌の常連筆者も務めたほどの釣りisマイライフな人。好色。

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