清水節子は、ダイヤルQ2性悩み相談を〝発明〟した伝説中の人物だ。
歌手やタレントとしても活動していたが、出産・子育てに専念するため休業。時を経て、現在は美声を生かした歌手活動をメインとしている。また、一人娘の加藤悠は全戦全敗の覆面プロレスラーとして人気。母娘が共演したバラエティー番組でも注目を集めた。そんな清水にユニークな親子関係、芸能界の交友録、そしてダイヤルQ2性悩み相談誕生の秘話などを聞いた。
――昨年の10月にリリースされた新曲『横浜バラッド』を聞かせてもらいました。低音ボイスがセクシーで魅力的ですね。
清水 今回、初めて作詞を手がけたんです。生まれも育ちも横浜なので、地元への思い入れを歌詞にしてみました。
――曲の途中「愛する事を教えてくれたあなた 今度は忘れることを教えてください」というセリフが入っています。なんだか切ない感じに聞こえました。
清水 実は、出来上がったタイミングで千葉真一さんが亡くなられて(昨年8月19日)、本当にショックでした。出会いは39年前ですが、ずっと家族ぐるみの交流が続いていて、1つ前の曲『粋な関係』ではデュエットをさせていただいてたんです。感謝と鎮魂の意味を込めて、曲の途中に急きょ、語りを入れて再レコーディングしたんです。
――そんな秘話が!? 千葉さんはどんな方でした?
清水 男っぽくてワイルドだけど、繊細というか役者バカというか…少年のように純粋な心を持っていました。私にとっては兄のような存在で、娘がプロレスをやるという時も、私が止めても聞かないので代わりに「親を心配させたらダメだよ」と諭してくれたんです。
――本人はバリバリのアクションスターなのに?
清水 そこは母親である私の立場になってくださったんだと思います。結局、娘は今も言うことを聞いてくれませんけど(笑)。
――娘さんがSNSで「小指の電気治療をしてきた」と呟くと、「体のことを考えて早くやめろ」と返したりして、親子の会話をSNSで公開しているところが面白い。そういう関係だと、試合を観たこともない?
清水 いえ、デビューした頃に1回、今年になって2回、観に行きました。
――成長していましたか?
清水 リングの柱の上(コーナーポスト)に乗りバーンッて飛ぶのとか、男の人とも闘ったりして、技は増えていたようです。でも、血まみれになるのは本当にイヤ。怖いので、二度と観に行かないと思いました。
アノ大物芸能人からもらった“閃き”
――娘さんはHARUKAZEの別名で『ネバーギブアップ』というコンビを組んでお笑い活動もしています。そちらの成長は?
清水 けっこう面白くなってますよ。先日、たまたまYouTubeを見たら、すごい上手になってるなと感心しました。
――バラエティー番組でも話されてますが、その娘さんに1億2000万円のマンション(他にもビル1棟と高級マンション3部屋)を生前贈与されている。エピソードが破格ですね。
清水 昔はお金がありましたから。住み込みと通いのお手伝いさんがいて、娘は幼稚園時代、自分で洋服のボタンを留めたこともないくらいの上げ膳据え膳でした。ちょっと甘やかしちゃったかなぁという反省はあります。
――ダイヤルQ2性悩み相談を〝発明〟したのはどんなきっかけだったんでしょう?
清水 22歳の時にタレント活動をしながらスナックをやっていたんです。当時は可愛くってね。自分で言っちゃいますけど(笑)。サラリーマンの方をはじめ、警察の方、役所関係の方など色んな人に来ていただきました。男の人は飲むとグチを言うじゃないですか。「女房がヤラせてくれない」とか。たくさん相談を持ち掛けられるんですけど、お店だけでは対処できなくなって、信用できそうな人には家の電話番号を教えたんです。そこで相談に乗っていました。
――なるほど。
清水 ある日、島田紳助さんだったか山城新伍さんだったかと電話で話している時に、「そんな色っぽい声を出さないでよ。興奮しちゃうよ」と言われたんです。そこで閃きました。「あ、これは電話でイカせられるな」って。それが思い立ったきっかけです。
――すぐに商売を?
清水 すぐにではありません。最初は週刊誌に私のお店と人生相談のことを取り上げてもらい、『独占!女の60分』(テレビ朝日系)や『11PM』(日本テレビ系)にも出演しました。その時に条件を出したんです。「必ず電話番号をテロップで出してほしい」って。
電電公社の偉い人が直談判に来た!
――殺到したのでは!?
清水 はい。回線がパンクするほどで、当時の電電公社の偉い人が「回線を増やしてくれ」と直談判に来たほどです。でも、回線を増やすと料金を払うのはこちらですよね? それはばかばかしいので、電話をかけてきた人からお金を徴収できるシステムを作れないのかと提案したんです。1年くらいかかりましたが、ダイヤルQ2という、1分ごとに課金できる有料電話サービスを開発してもらいました。
――なんと、Q2を作らせたのは清水さんでしたか!?
清水 当然、私1人では対応できないため、女子大生を400人くらい雇い、自宅に転送できるようにしました。回線がつながる順番を待ってもらってる間はテープで私の声を流していました。「清水節子で~す」と艶めかしく。それだけでイッちゃった人もいたらしいです(笑)。結果、多い月で1億円近く稼いだこともありました。
――雇っている女性にも〝指導〟をするわけですね?
清水 もちろん。ただ色っぽい声を出すだけじゃダメで、「電話だからこそ、本物の恋人のように接しなさい」とアドバイスしていました。イマジネーションをくすぐるように囁くと、女の子のほうだってソノ気になるんですから!
――今でも妖艶ボイスは活躍していますか?
清水 やだ、恥ずかしい。でも、2~3分あればイカせられる自信はありますよ。
――その声に触れたいと思ったら、何を聞けばいいですか?
清水 ラジオをやってるんです。毎週水曜日の夜、『清水節子のムーンナイトトーク』(ラジオ日本)という番組。各界のゲストを招いてのフリートーク番組なのですが、スケベ話が一番盛り上がりますよね。
――やはり下ネタは好き?
清水 だ~い好き。だって、世の中には男と女しかいないんだもん。
清水節子◆しみずせつこ 11月3日生まれ。『清水節子と蒔田由美子の歌日記』(BS12)レギュラー。6月2日、横浜の『XLV Bayside Motion(ベイサイドモーション)』にて山川豊とのジョイントコンサートを予定。
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