4月9日に放送されたアニメ『ドラえもん』(テレビ朝日系)がネットで話題になっている。
この日の2本目は「どくさいスイッチ」の巻。いつも通り、ジャイアンに草野球でしごかれたのび太は、「ジャイアンなんかいなくなればいいのに」と望む。
するとドラえもんが、ひみつ道具「どくさいスイッチ」を出し、これを押せば、独裁者のように邪魔者を消せると手渡す。最初は、さすがに使うことをためらっていたのび太だが、ジャイアンに遭遇。暴力をふるわれそうになったためスイッチを押すと、その場からジャイアンがいなくなるだけではなく、存在そのものが消えてしまう。
担任の先生や、妹のジャイ子まで剛田武の存在を知らない世界。戸惑うのび太の前に現れたのはスネ夫だった。ジャイアンのいない世界では、草野球の監督にスネ夫が就任しており、ジャイアンと同じようにのび太をしごこうとする。
勢いでスネ夫も消したのび太は、昼寝をして悪夢にうなされ、みんないなくなれと叫んで、誤って「どくさいスイッチ」を押してしまう。
最初は開き直って、誰もいなくなった世界を満喫。高速道路や国会議事堂で寝転び、好きな物を腹一杯食べ、欲しかったおもちゃで遊んで大満足するが、次第に寂しさに襲われる。
当然、テレビは放送されておらず、発電所も機能していないため停電。後悔して泣き始めたところでドラえもんが登場し、スイッチは独裁者を懲らしめる道具だとネタバラシする。
「独裁者になんて、なるもんじゃないだろ」とのび太を諭し、元の世界に戻るというストーリーだった。
「独裁者の世界はこうなる」
ウクライナ侵攻で、ロシアのプーチン大統領が独裁者と評されている中での放送だったため、ネットは大反響。
《プーチンに見てもらいたい神回でした》
《侵攻が起こってから予定変更して急遽制作・放送を決めたのか、もともと前から決まっていたのかは分からない。ただ、このタイミングで放送したのは本当にありがたい。「独裁者の世界はこうなる」「独裁を しないさせない 許さない」という強いメッセージを、ドラえもんという世界中で人気を誇るアニメ作品を通して発信するというのは、非常に大きな意味があると考える。ロシア人とかプーチンとかだけでなく、全世界の人々に観てもらいたい。そして、子供達が将来、選択肢を間違えないように祈りたい》
《気に入らないことがいろいろあっても、家庭があって、仕事があって、ライフラインが整備され24時間使用できる、平和な生活に感謝します》
《藤子F不二雄さんは非現実的なストーリーの中においても、物事の道理や人としての正しい道を登場人物のやり取りや台詞にきちんと盛り込んで読者の子供にきちんと教えたり諭すような仕上げ方が巧みな方だったなと、改めて思い。先日亡くなられた藤子不二雄Aさんと共に、子供時分に戦争を経験されている昭和一桁世代の方は、文化人やジャーナリストも似たような感覚が有り、孫くらいの世代に当たる私は人道的に貴重な方々から教えを頂いたなと、つくづく感謝しております》
タイムリーなエピソードは、人々の心に深く刺さったようだ。
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