春GⅠ第1弾の高松宮記念が8番人気、5番人気、17番人気と来て驚いていたら、第2弾の大阪杯も8番人気、3番人気、7番人気と入って、またも1、2番人気馬総崩れで、再び〝アッと驚く為五郎〟とは…絶句である。
特に大阪杯は断トツの〝2強〟の下馬評、〝荒れないレース〟のはずだっただけに、ショックはデカい。私も恥ずかしながら「年度代表馬の横山武エフフォーリアと〝令和のサイレンススズカ〟と目され、前走金鯱賞でも逃げ圧勝の藤岡佑ジャックドールとのマッチレースの様相を呈している。逃げるジャック、差すかフォーリア、の分かりやすい図式」と書いたが、ちっとも〝分かりやすい図式〟じゃなかった。競馬に絶対はない、と競馬ファン生活半世紀で学んだはずなのにねえ。
さらに恥の上塗りで、「昨年の覇者で金鯱賞2着の川田レイパパレは、なぜか〝3番人気不振〟のこのレースだけに、あくまで3連複のヒモの扱いで、馬連は買わない」と書いたら、しっかり馬連を確保されてしまい、♪懺悔の値打ちもないけれど~と北原ミレイの歌を口ずさんじゃうぞ(古い)。
わずかな救いは、「本来なら〝観るレース〟、投資は、たとえGⅠでも〝観覧料〟程度に抑えよう」と最後に記したように、GⅠでも軍資金を少な目にしたこと。反省は、慣れない3連単に手を出したこと。私の近年の基本は馬連&3連複に徹することだったのに、ついエフフォーリア頭鉄板! と思い込んだ私が馬鹿でした。今後しばらくは3連単は控えるべし、と遅まきながら、自戒した次第。
さて深刻なのは、横山武騎手だ。これでレシステンシア、エフフォーリアと2週続けて、断然人気馬でヘグってしまった。当人も随分ショックだろうと思うが、勝負事にバイオリズムは大事。今週の第3弾桜花賞も1番人気が予想されるナミュールに騎乗予定だが、大丈夫かあ? と不安がよぎる。
深刻な不安、といえばルメール大将もである。大阪杯のアリーヴォなどの騎乗予定をキャンセルしたのは、接触者にPCR受検者が出たのに報告を怠った、との戒告を受けてのことだったようだ。何か、こちらもバイオリズムが激下がり(おまけにそのアリーヴォは乗り替わりの武豊に3着激走されてしまうし)。ルメール大将は、桜花賞ではフォラブリューテに騎乗予定とあるが、ちょっと狙いにくいなあ。
要するに阪神JFの1~4着のボックス!
というわけで問題の桜花賞の狙い馬である。本来ならナミュール本線と言いたいところだが、何と大外⑱番枠とはツキもない。もちろん絶望的なわけじゃない。2014年にはハーブスターが優勝し、昨年はサトノレイナスが2着を確保しているのだが、不利は不利だろう。臆病風が吹いたのでボックスに。暮れの阪神JFで万馬券のお世話になったM・デムーロのサークルオブライフ、坂井に乗り替わるラブリイユアアイズ、武豊ウォーターナビレラ。要するに阪神JFの1~4着のボックスというわけだ。
あとは騎手で選んで、岩田ジュニアのサブライムアンセム、名前が素敵な幸アネゴハダ、乗り替わりで頼れる池添のラズベリームース、ゲンの良い⑩番枠を引いた牝馬に強い福永が乗るライラックを選んだ。
〝映画関連馬券〟は、まずサークルオブライフから『仁義』(70年)はどうか。なぜなら原題が〝サークル・ルージュ(赤い輪)〟だから。フィルムノワールの巨匠ジャン=ピエール・メルヴィル監督で、アラン・ドロン、イヴ・モンタン、ジャン・マリア・ヴォロンテという濃いメンツで魅せる宝石強盗もの。アウトローたちの腐れ縁を〝赤い輪〟とした原題を、当時の任侠映画全盛の日本を反映し、邦題を〝仁義〟としたのもご愛嬌か。
任侠っぽいと言えばアネゴハダも相当なもの。『姐御』(88年)は黒木瞳の珍しい任侠アクションで、謀殺された夫の仇を討とうとする〝極妻〟を演じた。夫役の松方弘樹との濃厚な濡れ場も話題になったものだ。黒木の緋鯉、松方の真鯉の刺青が全裸のからみでうごめくサマがエロかった。
さて、最終的な買い目は、サークル、ナミュール、ラブリイ、ウォーターの⑥⑪⑯⑱ボックス馬連&3連複を厚目に。⑪⑯⑱各々から⑦⑩⑬⑮へ馬連、⑪⑯、⑪⑱、⑯⑱の各々2頭縛りから⑦⑩⑬⑮へ3連複。買い目はやや多いが、クラシック第1弾、まずは当てよう!
秋本鉄次
映画評論家。〝飲む・打つ・観る〟〝映画は女優で観る〟をモットーに、娯楽映画、中でも金髪女優の評論にかけては業界随一。著書に『パツキン一筋50年 パツキンとカラダを目当てに映画を見続けた男』(キネマ旬報社)など。
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