社会

M8クラス巨大地震「日向灘」「南西諸島」で“不気味な兆候”あり!?

(画像)file404 / shutterstock

首都直下、南海トラフ、日本海溝、千島海溝…さらに、日向灘(大分・宮崎の東方沖)、南西諸島海溝(鹿児島・沖縄沖)でもM8級の巨大地震が起こる可能性があると先ごろ、政府の地震調査委員会が発表した。

武蔵野学院大学特任教授(地震学)の島村英紀氏が解説する。

「1771年の『明和の大津波』で知られる八重山地震より、もっと大きな津波が過去に3回襲っていたことが、最近の調査で分かってきた。海底の砂が陸地深くまで運ばれていたことを突き止めたんです。石垣島の東海岸には、途方もない大きさの岩が残っている。サンゴが沖合で作った石灰岩です。この岩は、かつての大津波が海底から運んできたもので、石垣島の東海岸には重さにして約1000トンの巨岩が転がっています」

島村氏によると、この巨岩がいつの年代で襲った津波によるものなのかが、最近の研究で明らかになってきているという。

過去からも分かる津波の恐ろしさ

堆積残留磁化という手法を用いるのだが、その詳細は難しいのでここでは省く。とにかく、海岸に転がっている巨岩の磁化から津波によって何度回転したかを突きとめ、内陸まで運ばれた小さい岩や砂の分布から、津波の高さを正確に推定できるようになったという。

「明和の大津波の高さは、これまで80メートル級などといわれていましたが、約30メートルということが分かった。これらの巨岩のうち、35トンほどの重さの岩は明和の大津波で回転したものでしたが、200トンの岩は約2000年前の大津波で回転したことも判明したんです。つまり、大津波は過去何度も琉球海溝で起きていて、明和の大津波よりも大きなものが襲ってきたことがあったんですよ」(同)

明和の大津波では、約1万2000人が溺死したとされる。今のタイミングで政府が公表したのはなぜか。

「巨大地震が、そろそろ発生しても不思議ではありませんからね。首都直下、南海トラフも活性化しているフィリピン海プレートが起こすもので、何とも不気味です」(同)

日本中、もはや安全なところはどこにもない?

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