新型コロナウイルスの変異種「デルタ株」と「オミクロン株」の特徴を併せ持つ混合変異株「デルタクロン株」が、すでに欧米やブラジル、タイなどで確認されている。
「デルタクロン株は今年1月に、キプロス共和国の研究者が発見。当初は技術的ミスによる誤検知という指摘もありましたが、その後、WHO(世界保健機関)なども混合変異株の存在を認めました」(サイエンスライター)
この新たな変異株については、感染力の強さ、毒性などの評価は明らかになっていない。WHOはフランス、オランダ、デンマークで確認されたことを明らかにしており、いずれの地域でも感染者数は少数にとどまっている。
では、デルタクロン株は世界を脅かす変異株になっていくのか。公衆衛生が専門の医師で、作家の外岡立人氏に見解を聞いてみよう。
集団免疫強化でコロナ終息に導く
「デルタ株とオミクロン株の遺伝子が混じり合ったというだけで、今のところ危険性があるとは言われていません。昨年、ベトナムでアルファ株とデルタ株の特性を兼ね備えた変異株が見つかり、大騒ぎになった。あのときの状況と似ていますね。政府は4回目のワクチン接種を5月から開始することを計画しているようですが、非常に良いことです。国民の3回目接種が、まだ約40%しか進んでいないことから免疫レベルは明らかに下がっています。今、新たな変異種が発生して、それに置き換わると、まずい。どんな変異種が来ても対応するには、ワクチンを打って抗体量を増やすことです。これからは4カ月に1度くらいのワクチン接種が必要になるかもしれない」
今後、数年間は新たな変異株が生まれ続けることが予想される。
「ワクチンを打っていれば、コロナそのものに対する免疫力がつく。面倒だと言わずに、ワクチン接種に行く一人、一人の労力が集団免疫を強化し、いずれコロナが消えていくことにつながるのです」(同)
コロナ終息は、ワクチン接種にかかっている。
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