3月10日ごろから全国各地で気温が一気に上昇し、桜の開花が早まった。その一方で、花粉飛散量が拡大、花粉症の重症化も報告され、経済活動への影響が懸念されている。
「花粉症の重症化でくしゃみや目のかゆみが止まらず、仕事にならないと訴える患者が急増しています。結果、労働力が低下する。花粉症の重症化による1日当たりの経済損失は、推計2215億円といわれているほどです」(医療ライター)
国民の2人に1人が発症することから〝国民病〟と呼ばれる花粉症。昨年の花粉飛散量は一昨年に比べ1.8倍程度だったが、コロナ対策のマスク着用で花粉症の患者は減少した。今年は昨年の1.5倍(関東)。スギ、ヒノキなどの花粉は、2月上旬に九州や四国、東海、関東の一部で飛び始めた。
今年は従来の薬が効きにくい!?
花粉症専門外来を設けている藤巻耳鼻咽喉科医院の藤巻豊院長が指摘する。
「気温の上昇に伴って花粉の飛散量が増え、患者も急増しています。しかも、昨年より重症化している。日本気象協会が発表した1.5倍以上の花粉が飛んでいる気がしますね。花粉症の症状を和らげる内服液には、主に第2世代抗ヒスタミン薬と抗ロイコトリエン薬の2種類がある。また、症状が重い患部に働きかけるのが点鼻薬と点眼薬です。点鼻薬には鼻噴射用ステロイド薬、第2世代抗ヒスタミン薬、抗ロイコトリエン薬、点眼薬には抗ヒスタミン薬や抗ステロイド剤があります」(同)
しかし、今年の花粉症は従来の薬が効きにくく、重症化の傾向にあるという。
「僕の場合は目のかゆみと充血ですが、去年は点眼薬で効いたのですが、今年は点眼薬を差してもすぐかゆくなって仕事に集中できない。連日こんな状態です」(中小企業の技術者)
「私はくしゃみと鼻詰まりです。去年と同じ医者から処方された薬を2種類飲んでいますが、くしゃみが止まらない。客商売ですから人前に出られず、花粉が飛ぶピークを過ぎないと仕事になりませんよ」(東京都中央区の飲食店店主)
花粉が過ぎ去るまで経済損失は膨らむ一方だ。
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