野党第1党にもかかわらず、世間から相手にされず、支持率でも超低空飛行を続ける立憲民主党は、「政界の孤児」ともいえる存在に成り下がっている。
立民は代表が左派色の強い枝野幸男氏から八方美人の泉健太氏に代わり、「枝野独裁」からは解放されたものの、つかみどころのない没個性の政党となってしまった。
春近しとばかりに各党がうごめく中、存在感を発揮したいところだが、泉氏にそれを期待するのは、どだい無理な話といえよう。
そこで党内では、早くも「ポスト泉氏」の動向に話題が及んでいる。
最右翼は昨年10月の衆院選で大阪10区から出馬し、議席を失った前副代表で元衆院議員の辻元清美氏だ。昨年11月の代表選のときから「辻元氏がいれば出馬してほしかった」との声があった。
今夏の参院選で、立民は昨年の衆院選と同様に惨敗し、泉氏は引責辞任。参院選比例代表に出馬する辻元氏が当選し、代表選でも見事当選する…。そんなシナリオが囁かれている。
そして、その辻元氏を支える事務局体制も整いつつある。立民の事務局といえば、左派系の市民団体の間では有名人である秋元雅人前事務局長が最近まで牛耳り、現在は選挙対策委員会の特別参与として、相変わらず党内の資金に目を光らせている。
辻本氏が創設した「ピースボート」との関係…
インターネット報道番組を制作、配信する『チューズ・ライフ・プロジェクト(CLP)』に、立民が広告代理店の博報堂を通じて番組制作費など約1500万円を支援していた問題は、依然として真相が闇に包まれたままだが、この支援を取り仕切ったのは秋元氏にほかならない。
実は立民からCLPに資金が渡る過程には、ウェブ制作会社も入っており、中抜きする形でこの制作会社に資金が落ちているとされる。この制作会社の社長は元ピースボート共同代表だ。秋元氏が支援したかったのはCLPというより、この人物だったのではないかとみられている。
党の事務局にも、ちゃっかりピースボート上がりの人物を入れているが、そのピースボートの創設者は、ほかならぬ辻元氏だ。
秋元氏の仕掛けはこれだけではない。安保法制反対のデモを主導した学生団体『SEALDs(シールズ)』出身者を2人、党の事務局に採用していることは意外と知られていない。1人は政務調査会、もう1人は選対に所属している。
「秋元氏が党を左派系に染め上げようとしているのは間違いありません。党代表に辻元氏が就任するとき、立民は頭から尻尾まで、政党という仮面をかぶった事実上の左派系市民団体のような存在になるでしょう」(全国紙政治部記者)
やはり、この政党に未来はない。
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