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『1万人の脳を見た名医が教える すごい左利き「選ばれた才能」を120%活かす方法』著者:加藤俊徳〜話題の1冊☆著者インタビュー

『1万人の脳を見た名医が教える すごい左利き「選ばれた才能」を120%活かす方法』ダイヤモンド社

『1万人の脳を見た名医が教える すごい左利き「選ばれた才能」を120%活かす方法』ダイヤモンド社/1430円

加藤俊徳(かとう・としのり)
左利きの脳内科医、医学博士。加藤プラチナクリニック院長。株式会社脳の学校代表。昭和大学客員教授。発達脳科学・MRI脳画像診断の専門家。著書に『脳の強化書』(あさ出版)など。

――10人に1人といわれている左利きですが、偉人に多いそうですね?

加藤 偉人とは、異人でもあると思います。約10人中9人もいる右利きの人は、なかなか違いを生み出すことに苦労する一方で、残り1人の左利きは、それ自体が、すでに違いを生み出していることになります。つまり、右利きの人と左利きの人とでは、そもそも生まれてから手を使い始める時点で、持てるものが違っているのです。

左利きと右利きでは環境に対する目の向け方、視点が違うのです。左利きの方は個性的な対象、特徴があることに関心や感度が高くなるように脳が成長する因子を持っています。偉人や天才たちの共通点は、その特異な着眼点、気づきにあると考えられます。

――左利きと右利きの大きな違いとは何ですか?

加藤 左利きは右利きに比べて、圧倒的に右脳を刺激して、自ずと右脳強化時間が長いことです。言語、言葉の情報処理の中枢は、右利き、左利きにかかわらず9割方、左脳にあると考えられています。ですから、右利きの人が右手を使うと、左脳の運動系脳番地の手の領域が活性化されます。

一方、左利きが、左手で文字を書くと、左脳の言語系と右脳の運動系が活性化されます。まとめると、右利きは左脳ばかりを刺激され、左利きは右脳と左脳を両方刺激されます。ですから、右利きは、右脳をもっと刺激する必要があり、左利きは、もっと左脳を刺激して鍛える必要があります。

左利きは視野の広いアイデアマン

――一般社会では右利き用に整えられています。左利きに向いている職業などはあるのでしょうか?

加藤 左利きの特徴は視野が広いことです。そして、アイデアマンということです。右脳は目の前の視野の左右とも注意を向けていて、左脳は目の前の視野の右側に注意を向けているという考え方があります。

災害救助、絵画などアート、スポーツ関連の職業、新企画ビジネス、新産業分野の開拓などに関わることが自分自身を生かせると思います。他人と同調せず、個性の確立が必要とされる職業もいいですね。

――最強の左利きになるには、どうしたらいいのでしょうか?

加藤 左利きの方は思いっきり左手を使ってあげてください。私は30代前半までは全然、言葉が上手に使えませんでした。しかし、あきらめず継続した結果、思いついたアイデアがどんどん具現化してきました。本書は私のライフワークです。世界中の左利きの人に向かって、私の応援歌である本書を伝えるチャンスがあることに感謝します。

(聞き手/程原ケン)

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