最速159キロの剛速球に、〝ビッグボス〟新庄剛志監督のラブコールは、さらに加速する。
阪神と日本ハムが2回目の練習試合を行ったのは、2月11日。阪神の先発を任されたのが、藤浪晋太郎だ。3回1安打無失点と好投し、「キャンプ序盤に、こんなに速いボールを投げるなんて!」と周囲をうならせていたが、矢野燿大監督だけは厳しい目を向けていた。
「死球も1つ出しています。変化球のスッポ抜けでしたが、真っ直ぐだったら〝明後日の方向〟に行っていました。捕手が外角に構えても、内角に行く、いわゆる逆球。投球術で抑えたのではなく、ボールの威力で抑えただけ。矢野監督は口では『良くやった』と言っていましたが、気難しそうな顔を浮かべていました」(現地記者)
とはいえ、新庄監督は別の見方をしていた。
「途中、打者全員にバント攻撃をさせました。藤浪の剛速球を指して、『何で失敗したか、考えてほしい』と。藤浪と1対1の勝負をするよりも、チーム総出でなんとかしようとし、その結果としてアウトになったのなら意味が出てきます。藤浪を一流投手として認めているからこその作戦ですよ」(球界関係者)
堂々と「藤浪が欲しい」発言!
思い出されるのが、日本ハムサイドの藤浪評だ。ビッグボスは「ウチに来れば」と、悩める右腕の〝再生〟に自信もうかがわせていた。
「リップサービス?」と捉えられたが、マンザラでもなさそうなのだ。
「昨年12月、日本ハムOBの動画に出演し、そこで『藤浪が欲しい』と発言していました。ということは、この件でも阪神に打診を入れていたと見るべき」(同)
また、阪神サイドの関係者にこの件をぶつけてみたところ、巨人・菅野智之投手との自主トレを指して、「技術的な指導もそうだが、自分やその取り巻く現状を変えたいというか…」と、藤浪自身が行き詰まり状態にあることを伝えていた。
その点を考慮すると、「同一リーグに出すよりもパ・リーグ」の発想も阪神にはあるだろう。
「キャンプ中、新任監督に目が向いている隙にフロント同士が話をし、一気にトレードがまとまる可能性もありますよ」(同)
新庄監督は試合中もネット裏、外野席と居場所を転々と変える。メディアはそれを追い掛け、両陣営のベンチ裏はフリーとなる。これもビッグボスによる「藤浪強奪作戦」の一環なのかもしれない。
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