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オミクロン株“沈静化”の兆しと「広域火葬計画」整備通達の意味…

(C)Andrii Vodolazhskyi / Shutterstock

国内の新型コロナウイルスによる1日当たりの死者数が、2月10日、過去最大の164人と報告(NHKまとめ)された。

かつての変異株と比べると、オミクロン株は重症化率、致死率が低いはずなのに、感染者が非常に多いため死者数も積み上がっているのである。

そんな折も折、厚生労働省は地方自治体に対して、「広域火葬計画」を整備するよう通達した。

「広域火葬計画とは大規模災害が発生した際、周辺自治体の協力を得て火葬を行う計画のことです。東日本大震災のときに適用されました。今後、とんでもなく死者数が増えるのかと思ってしまいますが、そうではない。感染による職員不足に備えるのが通達の理由です」(厚労省担当記者)

新型コロナは変異を繰り返すたびに、おおむね致死率は低下し、逆に感染力は上がる傾向にある。現在、全国の新規感染者数は1日10万人前後で推移している。

またしてもワクチンが沈静のカギ?

公衆衛生が専門の医師で作家の外岡立人氏が解説する。

「100年前のスペイン風邪の際は、遺体が火葬場の外に置かれた。今も米国では火葬できない遺体が冷凍車に保管されている。幸い、日本でそういう状況は免れました。死者が多い理由の1つは、重症者に占める高齢者の割合が高いからです。高齢者は腎臓や呼吸器に疾患を持っていることが少なくない。それが悪化して死に至るのです」

昨年7月末には、65歳以上のワクチン2回接種がほぼ完了した。

「オミクロン株の新規感染者が増え、問題になってくると、岸田首相は慌てたように1日100万回のワクチン接種(3回目)を開始するように指示しました。ワクチンで上昇した抗体は時間の経過とともに減るため、今こそ3回目のワクチン接種を行い、コロナウイルスに対する抗体量を一気に上げる必要があります。それは、オミクロン株に対する効果を高める作用ともなるのです」(同)

外岡氏は「新規感染者のピークは今」と指摘し、2月17日ごろから「ゆっくり減ってくる」と分析している。

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