1月27日、日本自動車工業会(自工会)が記者会見を行った。通常、この時期の記者会見は1年の取り組みなどを発表するだけの、いわば定例行事だった。
「今年は国内自動車メーカーの社長が多数参加し、大いに話題を呼びました」(自動車ライター)
参加した面々は、自工会会長を務めるトヨタの豊田章男社長、日産の内田誠社長、ホンダの三部敏宏社長、スズキの鈴木俊宏社長、ヤマハの日髙祥博社長などで、日本のモータリゼーションを担う各メーカーのトップが、オンラインとはいえ一堂に会したのだ。
自動車業界は100年に一度の大転換期と言われるが、各メーカーとも危機感を抱いている証しであろう。そして、この転換期を乗り越えなければ、自動車業界に携わる550万人のみならず、自動車業界を屋台骨としている日本経済において影響が出るのは明らかだ。
オールジャパンで世界に挑む!
自工会の会見は世界にオールジャパン体制を誇示したわけだが、一部には「もっと早く日本の自動車メーカーが協力していれば…」との声もある。
「日本は世界に冠たる自動車メーカーを多く抱えながら、さまざまな面で各メーカーの自助努力に頼ってきた。そのため国際規格などについては、欧米の基準に合わせざるを得なかったのです」(自動車評論家)
また、欧米ではモータースポーツが文化レベルまで昇華しているのに対し、いまだ日本ではマニア向けにとどまっている。日本メーカーが世界の自動車レースで素晴らしい結果を残しても、残念ながら販売に結びつくほど市場が成熟していない。
そんな中で、国産自動車メーカーが束になると、どれだけの力が発揮できるのか。自動車ファンのみならず、国民にとっても自工会の動きから目が離せない。
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