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コロナ禍で受診控え急増!病院と薬局が未曽有の倒産ラッシュ!

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聴診器 (C)週刊実話Web

医療機関と調剤薬局の倒産が増加している。帝国データバンクによると、2021年における医療機関の倒産は33件となり、前年比で6件増、特に診療所(病床数20未満)の倒産件数は前年比1.8倍まで急増している。

「新型コロナのワクチン接種が普及した6月~8月は、ボロ儲けした病院が続出しましたが、全般的な患者の受診控えで赤字計上の病院が増加しています」(医療ジャーナリスト)

また、全国的に出店が増え続けた調剤薬局も、経営悪化で苦境に立たされている。薬局に開設許可の規制がないことや、大手ドラッグストアや調剤チェーンが、M&A(買収と合併)とドミナント出店(一定エリアに集中的に出店する戦略)を指向した影響で、市場競争が激化。さらに、新型コロナウイルスの感染拡大で通院を控える患者が増加し、経営悪化に拍車を掛けているという。

薬剤師“大量リストラ”の時代へ…

「調剤薬局は医療機関への受診控えの影響で、処方箋枚数が激減しています。駅前や総合病院の門前薬局といった立地であっても、1日の処方箋が40枚以下だと経営状況は相当厳しい」(大手調剤チェーン)

薬の仕入れ資金で手持ち資金が減る一方、持ち込まれる処方箋の枚数が減れば、当然ながら収入が落ち込む。現在、31万1000人いる薬剤師だが、昨年4月に厚生労働省は2045年に最大で12万6000人の供給過多になると指摘しており、大量リストラを含めて淘汰が進む可能性がある。

今年度は薬価引き下げの可能性に加え、オミクロン株の感染再拡大で、さらなる受診控えも懸念されている。いまだコロナ禍が続く中、医療機関や調剤薬局の倒産ラッシュに歯止めが掛かりそうにない。

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