社会

『棒ラーメン』は九州のソウルフード~ニッポンを支える「隙間ビジネス」舞台裏

「隙間ビジネス」舞台裏
「隙間ビジネス」舞台裏 (C)週刊実話Web

福岡市に本社を構える株式会社マルタイの即席袋麺『棒ラーメン』(正式名称はマルタイラーメン)は、63年もの長きにわたって愛され続けている。

「棒ラーメンが発売される1年前の1958年に、日本のインスタントラーメン第1号となった日清食品の『チキンラーメン』が発売されています。日清が油で揚げたちぢれ麺であるのに対し、マルタイはノンフライ&ノンスチームで乾燥させたストレート麺でした」(B級グルメライター)

10年かけて売り上げ約1.7倍!

71年には日清から『カップヌードル』が発売されたが、カップ麺は容器や具材などで価格が上がるため、「よい物を安く」の会社方針を掲げていたマルタイは、カップ麺への参入を静観した。しかし、時の流れには逆らえず、75年になってカップ麺を発売したものの、4年の出遅れは競争の激しいラーメン業界では致命的で、さっぱり売れなかったという。

それでも棒ラーメンは、九州のソウルフードとして定着し、2010年の売り上げが18億7700万円なのに対し、20年は31億2900万円と、10年かけて売り上げを約1.7倍に伸ばした。地味であっても真摯な姿勢が功を奏したのである。

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