「優勝なんか一切目指さない」と監督就任直後に激白した〝ビッグボス〟新庄剛志監督だが、やっぱり勝利を意識していた。
松の内が明けても、大忙し。その人気と「どんな野球を見せてくれるのか?」という興味は尽きないが、正月休み中の発言から〝見えてきたもの〟がある。
「セ・リーグ各球団が『新庄効果』の計算を始めました。ざっくりとですが、今季、交流戦で日本ハム戦を主催する3チームはニンマリです」(球界関係者)
オミクロン株の影響で不透明な部分もあるが、観客動員数の上限が撤廃されれば、日本ハム戦が満員となるのは必至だ。交流戦でしか対戦できないセ・リーグ各球団もソロバン勘定を始めたようだが、新庄監督は別の捉え方もしていた。
交流戦は日本シリーズの前哨戦――。
「新庄監督は現役時代、阪神と日本ハムに在籍しました。阪神にも新庄監督の在籍当時を知るスタッフは少なくなっていますが、阪神情報を扱う関西メディアに出演した際には矢野燿大監督のことを、巨人とのオープン戦について聞かれたら原辰徳監督のこと、中京のメディアのインタビューを受けたときは立浪和義新監督の話をしています」(ベテラン記者)
意識しての発言だろうが、興味深いのは立浪監督について話したときだ。
戦力不足でも3位からの逆襲は可能
「(北海道と名古屋で)同時に地上波でやってもらえたら、またさらに面白い。次の対戦が日本シリーズになるか分からないですけど、ちょっとした土台を作っておいてくれたら嬉しいかなって」(東京中日スポーツ1月1日付)
新庄監督が「日本シリーズ」まで想定しているとは誰も思っても見なかった。
「日ハム内でも『交流戦でセの各球団を知るんだ』と話していました」(関係者)
「知る」ということは、日本シリーズを意識してのことであり、「勝ち上がっていく」の意味だろう。
「新庄監督は就任会見で『優勝は目指さない』『8月を過ぎて好位置にいたら』と言っていました。戦力的に見て、確かに日ハムは苦しい。ですが、選手に重圧を掛ける発言をするより、リラックスしながら戦って有事に備えておこうとしているのでしょう。何事も準備しておく、怠ったら、指揮官失格です」(同)
クライマックスシリーズがあるため、戦力不足でも3位からの逆襲は可能だ。本当は勝ちも意識している新庄劇場は、全日程終了まで楽しめそうだ。
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