新型コロナウイルスの感染者数が激減し、ようやく光が見えてきた矢先に「原料高」「原油高」「不漁」などの問題が各業界に波及している。
「クリスマスケーキの原料となる小麦や砂糖が、中国の需要拡大や天候不順による不作で価格が急騰。チョコレートも値上がりしており、販売価格を上げざるを得ない状況です」(洋菓子屋オーナー)
12月下旬に大手製粉会社が、業務用小麦の販売価格を値上げするほか、バターなどの乳製品も原油高を背景に価格が上昇している。
「イチゴはビニールハウスで栽培するので、室温を一定にするために暖房を使っています。しかし、燃料費が例年の2倍になっているため、1パック当たりの価格を100~200円値上げしないとやっていけません」(イチゴ農家)
“ステルス値上げ”で乗り切るしかない…
需要が伸びる一方で、菓子メーカーや農家にまで、食糧価格の上昇や燃料高の影響が広がっている。
東京・築地場外市場では、今月に入り例年の6~7割まで客足が戻りつつある。ところが、年末年始用のイクラやカニ、サケ、ウニの値段が高騰しており、売れ行きが芳しくないという。
「北海道の赤潮被害が深刻です。イクラの卸値は昨年の2割増しとなり、海外産の奪い合い。数の子も4割近く価格が上昇、毛ガニも不漁で市場に出回っていないですね」(仲卸業者)
今年は円安や原油高の影響で、マグロもかつてないほどの高値。かまぼこの原料となる魚のすり身も値上がりしている。
「客足が戻ってきたので値上げもしにくい。価格を据え置きにして量を減らす、〝ステルス値上げ〟で乗り切るしかない」(同)
せっかくの年末商戦に、「原料高」「原油高」「不漁」という三重苦が重くのしかかっている。
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