社会

日本大学が創立以来“最大の経営危機”…助成金カットに加え受験生激減

日本大学お茶の水校舎
日本大学お茶の水校舎 (C)週刊実話Web

日本一のマンモス大学・日本大学に13年間も〝ドン〟として君臨し続けた田中英寿前理事長(75)が、東京地検特捜部に所得税法違反容疑で逮捕され、約90億円の私学助成金交付カットが現実味を帯びてきた。

同時に受験生の激減も予想され、創立以来、最大の経営危機に立たされている。

「田中前理事長は約1億2000万円のリベート収入などを申告せず、約5300万円を脱税したとして逮捕された。〝日大の女帝〟と呼ばれている妻のY夫人にも脱税共謀疑惑が浮上しており、事件は越年するでしょう」(日大OBのフリーライター)

田中容疑者の側近・井ノ口忠男被告が、附属病院建て替えを巡る背任容疑で逮捕された段階で、1回目の助成金交付は保留になった。

「2回目は1月の審議会で決定されますが、理事長逮捕で大幅減額、最悪は不交付となるでしょう」(同)

そもそも私立大学には経営を補助するために学生数に応じた助成金が、文部科学省から外郭団体『日本私立学校振興・共済事業団』を通じて毎年度2回に分けて交付される。日大は東海大学に次いで助成金が多い。

記憶に新しいアメフト悪質タックル事件

「2018年度に不適切な入試やアメリカンフットボール部の悪質タックル問題で、管理運営が杜撰だとして助成金を35%も減額されている。助成金の取扱要領には、《学校経営に関わる事件で役員らが逮捕・起訴された場合は減額、又は不交付》と定められています」(文科省関係者)

日大の不適切な入試は、医学部で起きた。医学部卒業生の親族を不当に優遇して入学させていたことが発覚し、文科省から不適切との指摘を受けた。

また、関西学院大学との試合でアメフト悪質タックル事件が表沙汰となり、当時の監督やコーチが傷害容疑で刑事告訴されるなど、社会問題に発展したのは記憶に新しい。

案の定、翌19年は日大への志願者数が激減した。

「受験期を迎えるときにトップが脱税で逮捕された。志願者減は19年度より深刻になるでしょう」(教育ジャーナリスト)

一連の不祥事は日大の存続危機にまで発展しそうだ。

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