『ディア・エヴァン・ハンセン』
監督/スティーヴン・チョボスキー
出演/ベン・プラット、エイミー・アダムス、ジュリアン・ムーア、ケイトリン・デヴァー、アマンドラ・ステンバーグ、ニック・ドダニ、ダニー・ピノ、コルトン・ライアン
配給/東宝東和
〝誕生日からが1年のスタート〟と考えている私にとって、まさに新しい1年が始まりました。11月16日に無事、51歳になった私。嬉しい時も、悲しい時も、緊張した時も、ドロップキックした時も、自分に自信がなかった時も、51年も休まず一生懸命動いてくれてた心臓に感謝です!
さて、ずっと気になっていた作品を今回紹介しようと思っています。なぜ気になっていたかというと、1つはミュージカルだから。私自身、今年ミュージカルデビューをして『ウェイトレス』の舞台に立たせていただきました。そんな貴重な体験で深く感じたのは、曲の中でどれだけ感情が表されているか。いきなり歌い出すのが苦手という〝ミュージカル嫌い〟の人もいますが、ぜひとも今作品で表現する心の声を、ちゃんと聴いてあげてほしい。
そしてもう1つ、このミュージカル作品が他よりも気になったのは、さまざまな意見があるからです。中でも最も多いのは「最高の作品だけど、このテーマはミュージカル向きなのか!?」ということ。確かに、本作のような〝生きること〟に重点を置いたテーマを曲に乗せるのは珍しいこと。でも、ミュージカルの多くは、〝いい人生とは〟がテーマだし、それを考えると、この作品は素晴らしいと言えるのではないでしょうか。明るく振る舞っている人でも悩みはあるもの。今、あなたが人生に疲れたと少しでも思っていたら、ぜひとも映画館に行ってほしいです。
なんとも言えない静かな終わり方もナイス!
学校や会社はもちろん、世界を見渡しても、それぞれ〝悩み〟はいっぱいあります。主人公のエヴァンが周囲についた優しい嘘は、いろんな人を救ってくれます。誰しも面倒なことを避けるために、嘘をついてしまうこともあるでしょう。でもエヴァンの優しい嘘は、〝そんなものとは全然違う!〟と涙しました。
また最近、ミュージカルはあまり映画チャートのトップに上がらなくなり悲しい限りですが出演者やタイトルや曲を知らない、そんな理由で見ないのはソン! 私自身、今作品で流れたメロディーは1曲も知らなかったけれど、映画館を出たら、人や自分に対する気持ちも変わっていました。
切り取られた部分だけを見て判断するのではなく、その前後にある気持ちをちゃんと考えることの大切さを教えてくれます。そして、多くのミュージカルは〝ジャジャン!〟で終わるけど、なんとも言えない静かな終わり方もナイス。余韻を持たせてくれる作品は、深く心に残ります。年末に見たい1本です。
LiLiCo
映画コメンテーター。ストックホルム出身、スウェーデン人の父と日本人の母を持つ。18歳で来日、1989年から芸能活動をスタート。TBS『王様のブランチ』、CX『ノンストップ』などにレギュラー出演。ほかにもラジオ、トークショー、声優などマルチに活躍中。
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