新型コロナ感染者が激減する中、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、咳、喘息といったコロナに似た症状を引き起こす秋の花粉症患者が続出しているという。
『藤巻耳鼻咽喉科医院』(千葉県市川市)の藤巻豊院長が語る。
「今春のスギ花粉による花粉症は予想より少なかったのですが、秋の花粉の飛散量は例年より10倍飛んでいる。コロナ対策が緩和されたことで、運動不足になった人たちが体力を取り戻そうとジョギングやウオーキングを再開し、ストレス解消のための3密回避キャンプもブームになっている。油断してマスクを外していると、いつの間にか秋の花粉症に罹っているケースが多発しています」
今や国民の2人に1人が罹ることから、花粉症は「国民病」と言われている。花粉は1年中飛んでいるが、深刻なのは春と秋だ。
症状が出たら自己判断しないことが大切
「春の花粉症の原因となるのはスギやヒノキの樹木。秋の花粉症はブタクサ、ヨモギ、カナムグラが代表格で、公園や空き地などに生息する雑草です。ヨモギやカナムグラの花粉の大きさは、スギやヒノキとほとんど変わらない。問題は花粉が小さいブタクサで、この花粉を空気と一緒に吸い込むと、喉を通過して気道へと侵入しやすい。それが原因でアレルギー反応を起こし、咳の症状につながります。秋は花粉だけではありません。屋内のハウスダストに対する通年性のアレルギー性鼻炎も、ひどくなる傾向がある。ハウスダストは成人喘息の原因にもなりますよ」(医療ライター)
くしゃみ、鼻水、鼻づまり、咳といった症状を起こし、新型コロナを疑って検査キットなどで調べたところ、結果は陰性。ならば風邪として市販薬を飲むと、一時は症状が収まるが、すぐぶり返すときは、「秋の花粉症の疑いがある」(藤巻院長)そうだ。
「症状が出たら風邪だと自己判断しないで、耳鼻科に行って診てもらうことです。予防としてはコロナが収束に向かっているからといって、外出時にマスクを外さないことです」(同)
一難去ってまた一難。マスクは外せない。
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