スポーツ

スクープ! 25年ぶりVのオリックスに「大阪府民球団」構想

大阪ドーム
大阪ドーム (C)週刊実話Web

2年連続で最下位だったオリックスが、25年ぶり13度目(前身の阪急時代を含む)の優勝を決めた。

宮内義彦オーナー(86)にとっては、2004年の球界再編で近鉄と合併してから初のリーグ制覇。1つの区切りが付き、バファローズの「大阪府民球団」移行構想が浮上した!!

本拠地・大阪の選挙区で衆院選を大勝した「日本維新の会」が、勢いをかってオリックス・バファローズとの連携を深め、実質「府民球団」とする計画が進行している。目指すのは、マツダ(旧東洋工業)が球団株式を保有したまま広島市民と協同で市民球団とした「広島カープ型」の球団経営。オリックスの場合は大阪で絶大な影響力を持つ大阪維新の会を基軸に、大阪府、大阪市とタッグを組み、さらにバファローズと業務提携している吉本興業も参画させ、新生「大阪バファローズ」結成という構図だ。

「オリックスは、金融、不動産、リース業などあらゆる事業が堅調で、年間のグループ全体の売り上げは2兆2803億円。そんな中でバファローズは赤字が解消されず、球団売却が常に俎上にあがってきた。しかし、球団経営に情熱を注ぐ宮内オーナー(グループ本社前会長)に配慮し、結論はもう一度、宮内氏の胴上げを達成した後に先送りしてきた経緯がある」(スポーツ紙デスク)

それが達成されたことで、大阪維新主導で府民球団化の構想が浮上。これに対し、撤収も視野に入れていたオリックス側が渡りに船と捉え、話が加速したという。

「バファローズの球団経営陣は素人同然。宮内オーナーが選手起用や戦術、補強まで口に出し、フロント陣はオーナーの顔色を窺ってばかり。それが長期低迷の要因だった。今季は福良淳一GMにチームを任せて奏功したが、宮内オーナーは大相撲で言うところの一代横綱のようなもの。グループ首脳に継承者が見当たらず、現状の形での球団継続は難しい。その点、府民球団なら身売りとは違ってメンツも保てる。これ以上ない手仕舞いスタイルという判断」(同)

“オリ姫”を全国に増殖させたい

大阪府の吉村洋文知事はバファローズの優勝が決まるやツイッターで「オリックス、優勝、おめでとう!!」と投稿。以前から定例会見でバファローズが優勝したら「御堂筋パレードを検討したい。御堂筋は大阪市の管轄、すぐに松井一郎市長と相談したい」とぶち上げ、蜜月ぶりをアピールしていた。

御堂筋パレードは、阪神タイガースも05年に実施している。しかし、当時は自民党の太田房江知事(現参議院議員)の時代。今回の衆院選で維新は阪神推しの自民党と対決する形でバファローズに肩入れし、支持層の差別化を図った。

狙い通り勝利したが、来夏には参院選が控えている。そこで今季18勝など「投手4冠」に輝いた山本由伸、13勝した若き左腕の宮城大弥などを擁し黄金期を迎えたバファローズを使い党勢の伸張を目指しているのだ。

一方、オリックスにも大阪ドームを大阪市から買い取って傘下に収めているため、球団を売却して球界撤収とはいかない事情もある。

「カープ型市民球団」を目指す理由は、もう1つある。全国的な人気を支える〝カープ女子〟にあやかって、〝オリ姫〟を全国に増殖させたいのだ。

「大阪維新にとっても、女性の支持者獲得は狙いが重なる。バファローズを通してオリ姫が増えれば、男性ファンも付いてくるから。親父ファンが多く先細りが懸念されるタイガースにとって、これは大きな脅威」(大阪のテレビ局幹部)

実は、バファローズはすでに関西圏においては深く浸透している。05年に吉本興業と業務提携し、選手を吉本新喜劇のステージに客演させるなどの取り組みを推進してきた。今回も吉本新喜劇座長の小籔千豊、ハイヒールのモモコ、霜降り明星らがバファローズ優勝をさまざまなメディアでアピール。優勝を逃した阪神に代わって関西メディアを盛り上げている。

次の監督の隠し球は吉本所属…!?

さらに吉本興業はプロ野球選手、監督、コーチ、解説者、選手のマネジメントも手がけており、独自の球界人脈を構築中。ヤクルトの青木宣親と村上宗隆、楽天の石井一久監督、広島の元エース黒田博樹氏とも契約を結んでいる。オフのテレビ出演やCMの調整が主な目的だが、関係は深い。

「今回の優勝によりしばらく中嶋聡監督でいくでしょうが、次の監督の隠し球が吉本所属で大阪出身の黒田氏です。宮内オーナーの悲願はイチロー監督でしたが、神戸色が強すぎて新体制に馴染みません。一方、今オフ、黒田氏はカープの監督のオファーを断りました。野球解説の主戦場である大阪での監督を希望しているからです。メジャーで年俸18億円のオファーを蹴って4億円で古巣カープに戻った男気は、大阪でも人気が高い。吉村知事と松井市長は『大阪維新の顔』に期待しています」(球界事情通)

関西大学の宮本勝浩名誉教授は、今回のバファローズ優勝の経済効果は約209億円と試算している。現状では阪神が優勝した場合の620億円の半分にも満たないが、2025年には逆転する可能性はある。

関西財界の関係者がこう断言する。

「2025年の大阪万博ですよ。会場となる大阪湾の人工島『夢洲』で、オリックスはMGMとIR事業(カジノ)を手掛けている。今回の府民球団構想もその一環。関西の球界勢力地図は確実に塗り替わる」

あわせて読みたい