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点滴連続殺人“黒い看護師”に判決! 捜査で浮かんでいた「48人」の不審死…

(画像) Master1305 / shutterstock

2016年9月、横浜市の旧大口病院(現・横浜はじめ病院/休診中)で、高齢の入院患者3人の点滴に消毒液を混ぜて中毒死させたとして、殺人罪などに問われた元看護師・久保木愛弓被告(34)の裁判員裁判の論告求刑公判が、10月22日に横浜地裁(家令和典裁判長)で開かれ、検察側は死刑を求刑した。

起訴状によると、久保木被告は16年9月15日~19日ごろ、入院患者の興津朝江さん(当時78)、西川惣蔵さん(同88)、八巻信雄さん(同88)の点滴に消毒液「ヂアミトール」を混入させ、中毒死させたとしている。

「さらに同18日~19日ごろ、ナースステーションに保管されていた70~80歳代の男女4人に投与予定だった点滴と、もう1人分の点滴の計5袋に消毒液を入れたとして、殺人予備罪でも起訴されています」(全国紙法曹担当記者)

「死んで償いたいと思っています」

久保木被告は15年、大口病院に就職した。翌年3月、ある入院患者の容体が急変し、久保木被告と同僚が救命措置を行ったものの患者は亡くなった。そのときに患者の家族から「この看護師に殺された」と、激しく罵倒されたという。

そのため、久保木被告は周囲から責められることを強く恐れるようになり、自分の勤務時間外に患者が死亡するように、点滴への消毒液混入を始めたと供述している。

「久保木被告は16年7月中旬ごろから、患者の点滴袋に消毒液の混入を繰り返していたとされます。捜査段階では『20人くらいにやった』と供述しましたが、その間に48人が不審死している。立件されたのは証拠が確実な3件のみでした」(全国紙社会部記者)

久保木被告は最終陳述で、「死んで償いたいと思っています」と語った。判決は11月9日に言い渡される。

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