14年余りも横綱の座に君臨していた白鵬が引退し、11月14日に幕を開ける九州場所から、いよいよ照ノ富士の「一人横綱時代」が始まる。
これまで、この一人横綱が最も長かったのは朝青龍で、武蔵丸が引退し、白鵬が昇進するまでの21場所、3年半に及ぶ。
次いで白鵬の17場所で、照ノ富士も今後、長期化するのは必至とみられている。大関の正代、貴景勝が先場所もそろって8勝7敗に終わるなど、次期横綱候補が見当たらないからだ。
こうなると心配になってくるのが、照ノ富士の「朝青龍化&白鵬化」だ。一人横綱に成りたては誰でもプレッシャーに苦しみ、必死になるもの。白鵬ですら実質的な一人横綱になったときは、毎日、顔面蒼白だった。
しかし、一人横綱が長くなると、わがままが頭をもたげてくる。朝青龍は暴行事件を起こして引退に追い込まれ、白鵬も数々の問題行動を起こし、せっかくの輝かしい実績に泥を塗った。
照ノ富士の救いは師匠が“同格”であること
果たして照ノ富士は大丈夫か。白鵬引退の報が流れて6日後、照ノ富士は重い口を開き、決意を語った。
「(白鵬には)本当に長い間お疲れさまでした。そういった気持ちです。これからは自分が引っ張っていかないといけない」
すでに実質的な一人横綱だった先場所は、新横綱で優勝するなど言動ともに非の打ちどころがなかった。しかし、問題は場所を重ね、優勝回数が増えてからだ。
「照ノ富士の救いは、師匠が同格の横綱経験者(伊勢ケ濱親方=元横綱・旭富士)ということですよ。朝青龍の師匠は元大関(朝潮=高砂親方)、白鵬の師匠は元平幕(竹葉山=宮城野親方)。2人とも優勝回数が増えるにつれて、手が付けられなくなりましたが、照ノ富士は横綱になっても頭が上がりません」(担当記者)
くれぐれも照ノ富士が晩節を汚さないことを願ってやまない。
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