10月1日に『ポルシェ・ジャパン』が、千葉県木更津市に『ポルシェ・エクスペリエンスセンター(PEC)東京』を開設したと発表した。
広大な敷地の中に、多くのスポーツカーがテスト走行するドイツの『ニュルブルクリンク』などの一部を再現。2.1キロの周回コースを中心に、歴代ポルシェの展示スペースやレストラン、カフェ、さらにはポルシェグッズが手に入るショップなどが併設されている。
また、運転免許を持たない人でも、ポルシェのドライビングコーチの運転を助手席で体験できるなど、ポルシェ好きのみならず家族全員で1日中過ごせる空間になっている。90分の運転体験は4万9500円だが、手の届かなかった新車のポルシェに乗れるとなれば、人によっては安く感じるかもしれない。
実は最近、高級車の体験施設が注目を集めている。フェラーリやロールス・ロイス、ランボルギーニなど高級車輸入代理店の『コーンズ』も、千葉県南房総市に『ザ・マガリガワ・クラブ』という会員制ドライビングクラブを2022年末までに開設する予定だ。
生き残りを図る自動車メーカー
こちらは会員権の価格が2500万円なので、あくまでも新車や既存顧客の所有する車のポテンシャルを引き出すことなど、買い換え需要の喚起が主目的になることが予想される。
「現在、世界中で自動車メーカーのみならず、さまざまな分野で自動運転に対する研究が進められ、自動車を取り巻く環境が大きく変わろうとしている。その中で既存の自動車メーカーは、運転する楽しみを提供することで生き残りを図っています」(自動車評論家)
世界の高級自動車メーカーは、日本における販売台数が経済力に見合っていないと考えており、体験施設によって顧客の掘り起こしが本格化しそうだ。
いずれにせよ、一般庶民にとって身近に感じにくい話題ではあるが、世界におけるプレゼンスが脆弱とみられている日本の自動車市場にとっては、少し明るいニュースなのかもしれない。
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