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『ウグイ&ヤマメ』福島県/東山温泉湯川産〜日本全国☆釣り行脚

日本全国☆釣り行脚
日本全国☆釣り行脚 (C)週刊実話Web

だいぶ秋らしい陽気となり、涼しくなるにつれ温泉が恋しくなってくるものでして…。

まあ、これは前回の有馬温泉(兵庫)で、思いのほか良い釣りができたことや、外湯の〝金の湯〟がかなり心地よかった、ということもあるのですが。

今回も温泉でのんびりしたいなぁ…ということで、選んだ温泉地は福島県の会津若松市にあります東山温泉です。開湯はおよそ1300年前。江戸時代には会津藩の湯治場としても栄えた、由緒ある会津の奥座敷ですから実に楽しみです。あ、もちろん、温泉だけでなく釣りもしっかりと楽しみますので…。

事前に現地の釣り仲間に連絡を入れ、会津若松駅の近くで合流。コンビニで日釣券を購入してから出発。といっても、車を走らせること10分足らずで市街地だった車窓はガラッと変わり、山あいの温泉街といった雰囲気の東山温泉に到着です。歴史を感じさせる魅力的な温泉宿が軒を連ねる坂道を上ることしばし、足場のよさそうなポイントが目に入り、早速、竿を出してみることにしました。

日本全国☆釣り行脚
日本全国☆釣り行脚 (C)週刊実話Web

安物の渓流竿に、糸・オモリ・ハリの簡単な仕掛けをセットしたら、エサのミミズを付けて流れに仕掛けを沈めます。爽やかな澄んだ山の空気に癒やされつつ、落ち込みや淀みを丹念に探るうちに、グリッ! と明確なアタリが出ました。初めての釣り場での最初のアタリというのは、何とも胸が踊るものです。一呼吸置いてから竿を煽ると、ブルブルッ! と元気な手応えで釣れたのは、狙いのヤマメ! ではなく、東北や関東では〝ハヤ〟とも呼ばれるウグイでした。まあ、そうそう上手くはいきませんわな。

さすが地元釣師 良型の本命確保!

とはいっても、アタリがある度にウグイばかりだと、「そろそろヤマメさんはいかがなものでしょうか?」などと思うもので、本命を切望しつつ転々と移動を繰り返します。が、掛かるのはウグイのみです。

そんななか「やっと来ましたよ~」の声とともに、少し離れた場所で竿を出していた仲間がやって来ました。見ると25センチはありそうな型のよいヤマメをぶら下げているではありませんか。クゥ~ッ! 羨ましい! しかも肉付きのよい魚体は何とも旨そうです。

日本全国☆釣り行脚
日本全国☆釣り行脚 (C)週刊実話Web

「さすが地元名人! いい型ですねぇ! 旨そうだなぁ。いいなぁ。欲しいなぁ」くれくれモードを全開にしますが、「自分で釣ってこそ価値があるんですからね。ならぬことはならぬ、ですよ」と、ごもっともなお言葉。オレもヤマメ釣りた~い。と、大きめのミミズを付けて仕掛けを入れると…グンッ! と力強い手応えが。竿を煽ると今までのウグイよりは明らかに重い手応えです。

ついにやった! と慎重なやり取りでゆっくり寄せ、「バレないで!」と祈りながら抜き上げたのは、デップリとした良型の…ウグイ。

ウグイ
ウグイ

ひとしきりウグイを釣って、エサも使い切ったことから竿を畳んでいると、先に片付けを終えた仲間が、「せっかく来たんだし、コレ持ってって。あと、ウグイも塩焼きにすっと、うまいっしょ!」と、大切なヤマメや型のよいウグイをワタクシのビクに入れてくれました。会津らしい清々しくも温かい心遣いに感謝感激でございます。

ヤマメ
ヤマメ (C)週刊実話Web

湯川に癒やされ会津の奥座敷

さてここからはもう1つのお楽しみ、温泉タイム。温泉街にある〝おやど東山〟に立ち寄り、ひとっ風呂です。昭和34年の皇太子御成婚時に造られたという菊花紋章を型どった浴槽は何とも趣があり、眼下を流れる湯川のせせらぎと、源泉かけ流し100%の温泉にはかなり癒やされます。ここの温泉…クセになりそうです。

おやど東山の温泉
おやど東山の温泉 (C)週刊実話Web

さて、ウグイとヤマメは塩焼きにして晩酌です。ヤマメの美味は言うまでもなく、驚いたのはウグイがかなり旨いこと(ウグイしか釣れなかったから言うのではありませんよぉ)。しっとりと詰まった感の身質に、全くクセのない香ばしい白身はホクホクで実に美味!

ウグイとヤマメの塩焼き
ウグイとヤマメの塩焼き (C)週刊実話Web

素朴ながらに旨い会津の川魚に舌鼓を打ちつつ、ぬる燗にした会津の銘酒〝末廣〟の伝承山廃純米をチビリ。渓流は間もなく禁漁となりますが、雪の季節に再び訪れて温泉でゆっくり、な~んてのも最高だなぁ、などと思うのでありました(釣りは?)。

三橋雅彦(みつはしまさひこ)
子供のころから釣り好きで〝釣り一筋〟の青春時代を過ごす。当然のごとく魚関係の仕事に就き、海釣り専門誌の常連筆者も務めたほどの釣りisマイライフな人。好色。

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